●09-18(0919-0010)#C#鳥インフルエンザ、ヒト患者-東アジア(126):インド
ネシア#
[1]インドネシア:6歳の少女に鳥インフルエンザ感染疑い。
情報源:Xinhua News Agency online、9月17日。
インドネシア当局は9月17日、9月第3週の前半に4例目となる鳥インフルエンザ
感染死亡患者発生を確認したことを受けて、市民に対し警戒を維持するよう呼
びかけ、感染の拡大を防止するため対策を強化することを決定した。
他方、保健省の疾病対策局I Nyoman Kandun局長は9月17日、6歳の少女が鳥イ
ンフルエンザ感染疑い患者として、ジャカルタで治療されていることを明らか
にした。
同氏は、家禽にワクチン接種を行い、感染地区に立ち入った個人については健
康監視を行い、医療機関には鳥インフルエンザ感染患者への対処法を指導し、
鳥インフルエンザについての啓発キャンペーンを開始する予定であると述べた。
インドネシア当局は、2005年7月にジャカルタ郊外で男性とその娘2人が、鳥イ
ンフルエンザにより死亡したのを受けて、同感染症に対する家禽での大規模ワ
クチン接種を開始したが、その対象が極めて限定的であると批判されていた。
[2]情報源:Taipei Times online, Associated Press report、9月17日。
鳥インフルエンザ感染死亡患者の隣人も感染疑い。
インドネシア当局は9月16日、4例目の鳥インフルエンザ感染死亡患者を確認し
たため、アジアでの累計の死亡患者数が63名になると共に、死亡患者の隣人も
鳥インフルエンザに罹患しているかを調査中であると明らかにした。
香港の委託研究所で実施された検査の結果、9月第2週に死亡した37歳女性が
H5N1型鳥インフルエンザウイルスに感染していたことが判明した、と保健省疾
病対策環境保健局I Nyoman Kandun局長が明らかにした。保健省はまた、死亡
した女性の隣人も鳥インフルエンザと一致した症状を呈して入院していると発
表した。しかし当局は、この隣人がH5N1型鳥インフルエンザウイルスに感染し
たと確認するために、検査結果を待っているとしている。
Kandun局長は、インドネシアでは全国の家禽に鳥インフルエンザ感染が拡大し
ているため、今後も患者の発生報告が続く可能性があると警告した。
以下、アジアでのH5N1型株によるこれまでの被害状況、Kandun局長の家禽での
サーベイランスについてのコメントなど。
●09-18(0919-0020)#Ea#鳥インフルエンザ-東アジア(26):インドネシア、感
染対策#
情報源:Greater Jakarta section of Jakarta Post、9月17日。
Sutiyoso州知事は9月16日、首都内で鳥インフルエンザ感染が拡大するのを防
止するため、ジャカルタの全ての養鶏施設を市外に移転させるべきだと語った。
同知事は、ジャカルタ市農業畜産海事局に、養鶏施設の移転先を見つけるよう
指示した。
●09-16(0919-0030)#Er#蚊族発生、ハリケーン被災後-米国(07)#
[1]投稿者:Ernest Gould (CEH Oxford教授)。
「蚊族発生、ハリケーン被災後-米国(06)」のDavid Gaines博士が提起した
「鳥類はウエストナイルウイルスの保有宿主とは考えられない。」という考え
方に対する応答。
多くの研究論文が、フラビウイルス(およびその他のアルボウイルス)が、健常
なウイルス血症を呈していない鳥類やその他の動物(げっ歯類、コウモリ)から
分離されることを示している。このことは多くのアルボウイルス専門家にとっ
ては周知の事実である。この点から、鳥類やその他の動物は、保有宿主として
機能しうると思われる。
[2]情報源:Rocky Mountain News、9月13日。
ハリケーン被災地で公衆衛生対策の調整を支援しているFort Collins(CDC)の
昆虫学者McAllister氏は、被災地に残された水溜りから、蚊族の大群が発生し
ており、救援活動関係者を悩まし、感染症伝播の脅威となっている、と指摘し
た。
9月12日に、空軍機2機がニューオーリンズの東部と南部の約15万エーカーに殺
虫剤を噴霧するよう計画された。McAllister氏は、市の北部の同じ広さの地域
にも、13日夜に殺虫剤を噴霧される予定となっていると述べた。
懸念される主要な蚊族媒介性感染症はウエストナイルウイルスである。今年こ
れまでにルイジアナ州とミシッシピ州ではウエストナイルウイルス感染患者62
名が報告されている。ハリケーン被災前には、少数の東部ウマ脳炎症例も家畜
で認められていた。McAllister氏は、蚊族個体数は3日前から爆発的に増加し
始めたとし、ルイジアナ州のある蚊族対策地区当局は、捕獲された蚊族数は、
カトリーナ前のレベルと比較して800%増加したと報告したことを明らかにし
た。
以下、多数のヒトが屋外で居住、活動せざるを得ないところに大量の蚊族が発
生したため、蚊によって媒介される感染症が蔓延する危険性を懸念する関係者
のコメント。
●09-18 (0919-0040)#Er#鳥インフルエンザ、ヒト患者:低病原性鳥インフル
エンザ感染感受性#
[1]低病原性鳥インフルエンザ(LPAI)ウイルスもヒトに感染しうる。
情報源:CIDRAP News、9月13日。
J Infect Dis誌、2005年10月15日号に記載された、Puzelli Sらによる「1999
年から2003年の間に、イタリアでH7型インフルエンザウイルスに曝露されたヒ
トから採取された血清検体の解析」という表題の論文の紹介記事。
ヨーロッパの研究者チームは、H5N1型株のような高病原性鳥インフルエンザ
(HPAI)ではなく、低病原性鳥インフルエンザ(LPAI)もヒトに感染しうるという
自らが最初とする証拠を報告した。イタリア人らの家禽研究チームの研究の中
で、研究結果からは、鳥インフルエンザウイルスは従来考えられていたよりも
ヒトのインフルエンザウイルスと遺伝子組み換えを行う機会が多く、ヒトでの
汎流行のきっかけとなる組み換え株を作り出す可能性があることが示唆された。
ローマ市にあるInstituto Superiore di SanitaのIsabella Donatelli博士を
中心とした研究チームは、1999年8月から2003年7月にかけてイタリア北部の複
数の牧場で、従業員983人から血清検体を採取した。この期間中に現地では数
回の鳥インフルエンザ流行が発生し、その中にはH7N1型のLPAI 株とHPAI株、
およびLPAI H7N3型が含まれた。
血清検体は、それらの鳥インフルエンザウイルスに対する抗体の有無について
検討された。解析の精度を確保するため、複数の検査法を組み合わせた。
最初の流行4件の間およびその直後に採取された血清検体798件は、H7N1型ある
いはH7N3型株に対する抗体は全く検出されなかった。しかし、2002年および
2003年のH7N3型株流行時に採取された血清検体185件中7件(3.8%)は赤血球
凝集抑制試験で、両ウイルス(H7N1型およびH7N3型株)に対して抗体陽性となり、
陽性7件中4件はマイクロ中和法試験(注:原文では赤血球凝集抑制試験となっ
ている)で両ウイルスに対して抗体陽性となった。両検査方法で、H7N3 (LPAI)
型株に対する抗体価がより高値を示した。ウエスタンブロット法では、全7検
体が明白な陽性反応を示した。
著者らは、検査で陽性となった従業員全員が、環境の悪い家禽飼育施設内で、
シチメンチョウやニワトリと密接に接触していたと報告している。鳥インフル
エンザ流行期間中に、インフルエンザ様症状を呈した従業員はなく、1名のみ
が結膜炎症状を呈した。この症状は2003年のHPAI流行時に、オランダの作業員
の一部に認められた病変である。
以下、著者らによる研究結果の解釈など、および論文の要約の引用。
[2]情報源:Journal of Infectious Disease online, Editorial commentary、
2005年10月15日号。
Puzelliらの論文に対するFrederick Hayden および Alice Croisier博士によ
る編集者論評からの要約。
(翻訳省略、原文参照のこと。)
●09-18(0919-0050) #Ea#鳥インフルエンザ-アジア(27):インドネシア、動物
園の鳥類#
ジャカルタ当局は動物園を閉鎖。
情報源:AFX News Limited 。
当局は、ジャカルタ市内の動物園で飼育している鳥類19羽が、鳥インフルエン
ザウイルスを保有していると確認されたため、同園を閉鎖すると発表した。
Anton Apriantono農業大臣は、ジャカルタ市内のRagunan動物園は10月17日ま
で一般公開が中止され、その間に、園内の完全な消毒と感染した動物の治療が
実施される予定であると発表した。同大臣はラジオのインタビューで、動物園
内の数種類の鳥類から採取した検体27件から19件で、鳥インフルエンザウイル
スが検出されたことを明らかにした。
以下、農業大臣のコメント。
●09-16(0917-0110)#Ep#大豆さび病、アジア株-米国(アラバマ州)(04)#
情報源:Southeast Farm Press、9月15日。
9月9日以降も、アラバマ州内では、新たな大豆さび病アジア株による流行2件
が発生した。
●09-17(0917-0120) #Ea#ニューカッスル病、家禽-ジンバブエ:疑い#
情報源:The Herald (Harare)、9月14日。
当局は9月13日に、Matabeleland North 州および Mashonaland Central州の2
州でニワトリ数千羽が死亡した原因は、ニューカッスル病流行が原因とされて
おり、養鶏産業の脅威となっていることを確認した。
畜産局局長Dr Stuart Hargreavesは、事実関係を確認し、当局が流行制圧のた
めワクチン接種を開始したと明らかにした。
以下、政府および州担当責任者のコメント。
●09-16(0918-0010)#C-#蚊族の発生、ハリケーン被災後-米国(06)#
投稿者:Dean L. Winslow(Col, MC, CFS、デラウエア州兵空軍部)。
2005年9月5日から15日まで、ハリケーンカトリーナの被害が最も深刻であった
ルイジアナ州の13郡で展開された合同州兵機動部隊による救援活動の公衆衛生
部門の監督者として参加したWinslow氏からの現地の状況報告。
初期の頃は、不気味な静けさ、野鳥が見られないことが印象的で、蚊の成虫も
ほとんど見かけなかった。郡当局によるベクター(媒介動物)対策システムはま
だ機能していないし、それまで活動していた民間のベクター対策委託者が退い
たため、州兵機動部隊は迅速に状況を評価・管理する必要があった。
米国海軍設営部隊が、瓦礫を撤去し、可能な限りの水溜りを除去するため参加
した。加えて、州兵海・空軍部公衆衛生専門家が、ボウフラが発生する水溜り
となる排水されない下水道を調査したが、確認されなかった。早期に活動拠点
周囲に設置したライトトラップでは比較的少数の蚊族しか確認されなかったが、
1ヵ所のトラップに、9種類もの蚊族がかかったこともあった。
CDCからの昆虫学専門家と共に活動するルイジアナ州保健局は、州兵機動部隊
と共同し、最も危害が深刻であった郡での殺虫剤噴霧を優先している。殺虫剤
噴霧は先週末から開始され現在も継続されている。
●09-17(0918-0020)#Ea#口蹄疫-ロシア(極東地方)(08)#
情報源:Itar-tass、9月17日。
ロシア沿海州で、家畜に対する口蹄疫ウイルスアジア1型株ワクチンの追加接
種が開始された。今回のワクチン接種により、ウシに口蹄疫免疫を確立できる。
概算で、ウシ12万5千頭と小型反芻類10万頭に接種が行われた。沿海州での口
蹄疫流行は現在までに沈静化し、過去数日間は、新たな症例は報告されていな
い。感染したウシの屠殺処分は実質的に完了したが、各地で強化された隔離措
置は2005年10月中旬まで継続される予定である。
[Moderator注:9月10日付ロシア当局からのOIEへの流行報告の内容。]
●05-03(0918-0030)#C#ウエストナイルウイルス最新状況、2005年-西半球
(13)#
目次:
カナダ:[1]ヘルスカナダ、サーベイランスデータ2005年(8月28日~9月3日)。
米国:[2] CDC/ArboNET報告(2005年)。
[3]患者数最新状況-ニューヨーク州。
[4]患者数最新状況-カンザス州。
[1] カナダ、情報源:ウエストナイルウイルス監視活動、カナダ公衆衛生局、
2005 年9月3日。
2005年9月3日疫学第35週時点のカナダサーベイランスデータ。
ウエストナイルウイルス(WNV)全国サーベイランス報告。
ヒト:
第35週には41人のWNV感染患者がカナダから報告された。
[Quebec (3), Ontario (18), Manitoba (9), Saskatchewan (10), Alberta
(1)].
9月3日時点で、合計で127人のWNV患者がカナダ保健局(PHAC)に報告された。こ
のうち119人が臨床例で、8人が無症候性であった。臨床例119人中、27人(23%)
がWNV神経症候群、66人(56%)はWNV非神経症候群、26人(22%)は未分類/不特定
と報告された。13名は旅行関連であった。現時点で3人が、WNV感染により死亡
した。 [Manitoba (1), Ontario (2)]
トリ:
35週には、147羽のトリが検査され、39羽(27%)がWNV陽性であった。新たに
WNV陽性が確認された鳥類を報告した保健区はなかった。
2005年5月2日以来、累計で3554羽の死亡したトリが検査され、365羽(10%)が
WNV陽性であった。365羽中276羽(76%)がアメリカカラスで、88羽(24%)がアオ
カケスであった。
家畜:
35週には、7頭のウマからWNV陽性が報告された:Manitoba (3) 、
Saskatchewan (4)。
蚊族:
35週には、WNV陽性蚊族548プールが報告された:Alberta (1), Saskatchewan
(87), Manitoba (190), Ontario (224) and Quebec (46).
[2]米国-CDC、情報源: CDC、ベクター媒介性感染症部、WNV、9月13日。
2005年米国内でのWNV活動性 (9月13日現在)。
9月13日現在、以下の州からトリとヒトと蚊の感染がCDC ArboNETに報告された:
Alabama, Arizona,
Arkansas, California, Colorado, Connecticut, District of Columbia,
Florida, Georgia, Idaho, Illinois, Indiana, Iowa, Kansas, Kentucky,
Louisiana, Maine, Maryland, Massachusetts, Michigan, Minnesota,
Mississippi, Missouri, Montana, Nebraska, Nevada, New Hampshire, New
Jersey, New Mexico, New York, North Carolina, North Dakota, Ohio,
Oklahoma, Oregon, Pennsylvania, South Carolina, South Dakota,
Tennessee, Texas, Utah, Vermont, Virginia, Washington, Wisconsin, およ
びWyoming州。
ヒトの患者は以下の州から報告された:Alabama, Arizona, Arkansas,
California, Colorado, Connecticut, Florida, Georgia, Idaho, Illinois,
Indiana, Iowa, Kansas, Kentucky, Louisiana, Maryland, Michigan,
Minnesota, Mississippi, Missouri, Montana, Nebraska, Nevada, New
Mexico, New York, North Carolina, North Dakota, Ohio, Oklahoma, Oregon,
Pennsylvania, South Carolina, South Dakota, Tennessee, Texas,
Utah, および Wisconsin州。
以下、州ごとのWNV感染患者・死亡患者数(詳細は原文参照のこと)。
(内容の要約)現在までにWNV感染患者を報告した上記37州で、死亡患者29名を
含む患者1299名が報告されている。そのうち最多の患者/死亡患者数548名/9名
がカリフォルニア州から報告された。患者100名以上を報告したのは、カリフ
ォルニア州、イリノイ州、サウスダコタ州の3州であった。
患者1299名中、497名(38%)がWNV髄膜炎/脳炎(神経侵襲性)で、724名(56%)が
WN熱、78名(6%)が現時点で分類不能であった。
[3]患者数最新状況-ニューヨーク州、情報源:New York Daily News、9月15日。
ニューヨーク市民3人がウエストナイルウイルス(WNV)に感染した。これらの患
者は今年ニューヨーク市で初のWNV感染患者となった。そのうちの1人、44歳ぼ
Queens地区住民のみが現在も病院に入院していると、市保健局当局が昨夜発表
した。
以下、保健局責任者のコメント、市民への感染予防の呼びかけ。
当局は7月に今年初の患者と報告された男性患者は、最終的にWNV感染ではない
と確認されたとしている。
[4]患者数最新状況-カンザス州、情報源:Lawrence Journal - World、9月14
日。
Douglas郡の住民2人が今年カンザス州で第4,5例目のWNV感染患者としてリスト
に加えられた、と州保健当局が9月13日に発表した。
以下、州保健局による今回の患者の概要説明。州内各郡でWNVの活動性が確認
されているため、当局は住民に対して蚊の刺咬予防の勧告を続けている。
●09-16(0918-0040)#Ep#ブドウ黒とう病(植物の炭疽病)、ブドウ-米国(ミシガ
ン州)#
ミシガン州で栽培されるブドウでの_Elsinoe ampelina_によるブドウ黒とう病
の初報告。
情報源:アメリカ植物病理学会誌、Plant Disease Notes。
●09-16(0918-0050)#Ea#炭疽-米国(モンタナ州)(02)#
情報源:Dr. Thomas Linfield()。
今回の流行に関して、問題の牧場では、8月28日~30日ごろに最初のウシ1頭が
死亡し、接いで9月4日~5日に8頭が死亡した。その時点で、牧場主は、残りの
ウシを別の牧草地に移動させた。9月10日までは新たな症例は発生しなかった
が、その後新たな死亡例が発生した。総計でウシ37頭が死亡したとされる。
当初ウシの群れが放牧されていた牧草地は、綿密に掘り返された。感染源は確
認されていない。私は、最初の死亡例が少なくとも感染の第2派の感染源とな
ったのではと考えている。