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ネシア#
[1]インドネシア:6歳の少女に鳥インフルエンザ感染疑い。
情報源:Xinhua News Agency online、9月17日。
インドネシア当局は9月17日、9月第3週の前半に4例目となる鳥インフルエンザ
感染死亡患者発生を確認したことを受けて、市民に対し警戒を維持するよう呼
びかけ、感染の拡大を防止するため対策を強化することを決定した。
他方、保健省の疾病対策局I Nyoman Kandun局長は9月17日、6歳の少女が鳥イ
ンフルエンザ感染疑い患者として、ジャカルタで治療されていることを明らか
にした。
同氏は、家禽にワクチン接種を行い、感染地区に立ち入った個人については健
康監視を行い、医療機関には鳥インフルエンザ感染患者への対処法を指導し、
鳥インフルエンザについての啓発キャンペーンを開始する予定であると述べた。
インドネシア当局は、2005年7月にジャカルタ郊外で男性とその娘2人が、鳥イ
ンフルエンザにより死亡したのを受けて、同感染症に対する家禽での大規模ワ
クチン接種を開始したが、その対象が極めて限定的であると批判されていた。
[2]情報源:Taipei Times online, Associated Press report、9月17日。
鳥インフルエンザ感染死亡患者の隣人も感染疑い。
インドネシア当局は9月16日、4例目の鳥インフルエンザ感染死亡患者を確認し
たため、アジアでの累計の死亡患者数が63名になると共に、死亡患者の隣人も
鳥インフルエンザに罹患しているかを調査中であると明らかにした。
香港の委託研究所で実施された検査の結果、9月第2週に死亡した37歳女性が
H5N1型鳥インフルエンザウイルスに感染していたことが判明した、と保健省疾
病対策環境保健局I Nyoman Kandun局長が明らかにした。保健省はまた、死亡
した女性の隣人も鳥インフルエンザと一致した症状を呈して入院していると発
表した。しかし当局は、この隣人がH5N1型鳥インフルエンザウイルスに感染し
たと確認するために、検査結果を待っているとしている。
Kandun局長は、インドネシアでは全国の家禽に鳥インフルエンザ感染が拡大し
ているため、今後も患者の発生報告が続く可能性があると警告した。
以下、アジアでのH5N1型株によるこれまでの被害状況、Kandun局長の家禽での
サーベイランスについてのコメントなど。
●09-18(0919-0020)#Ea#鳥インフルエンザ-東アジア(26):インドネシア、感
染対策#
情報源:Greater Jakarta section of Jakarta Post、9月17日。
Sutiyoso州知事は9月16日、首都内で鳥インフルエンザ感染が拡大するのを防
止するため、ジャカルタの全ての養鶏施設を市外に移転させるべきだと語った。
同知事は、ジャカルタ市農業畜産海事局に、養鶏施設の移転先を見つけるよう
指示した。
●09-16(0919-0030)#Er#蚊族発生、ハリケーン被災後-米国(07)#
[1]投稿者:Ernest Gould (CEH Oxford教授)。
「蚊族発生、ハリケーン被災後-米国(06)」のDavid Gaines博士が提起した
「鳥類はウエストナイルウイルスの保有宿主とは考えられない。」という考え
方に対する応答。
多くの研究論文が、フラビウイルス(およびその他のアルボウイルス)が、健常
なウイルス血症を呈していない鳥類やその他の動物(げっ歯類、コウモリ)から
分離されることを示している。このことは多くのアルボウイルス専門家にとっ
ては周知の事実である。この点から、鳥類やその他の動物は、保有宿主として
機能しうると思われる。
[2]情報源:Rocky Mountain News、9月13日。
ハリケーン被災地で公衆衛生対策の調整を支援しているFort Collins(CDC)の
昆虫学者McAllister氏は、被災地に残された水溜りから、蚊族の大群が発生し
ており、救援活動関係者を悩まし、感染症伝播の脅威となっている、と指摘し
た。
9月12日に、空軍機2機がニューオーリンズの東部と南部の約15万エーカーに殺
虫剤を噴霧するよう計画された。McAllister氏は、市の北部の同じ広さの地域
にも、13日夜に殺虫剤を噴霧される予定となっていると述べた。
懸念される主要な蚊族媒介性感染症はウエストナイルウイルスである。今年こ
れまでにルイジアナ州とミシッシピ州ではウエストナイルウイルス感染患者62
名が報告されている。ハリケーン被災前には、少数の東部ウマ脳炎症例も家畜
で認められていた。McAllister氏は、蚊族個体数は3日前から爆発的に増加し
始めたとし、ルイジアナ州のある蚊族対策地区当局は、捕獲された蚊族数は、
カトリーナ前のレベルと比較して800%増加したと報告したことを明らかにし
た。
以下、多数のヒトが屋外で居住、活動せざるを得ないところに大量の蚊族が発
生したため、蚊によって媒介される感染症が蔓延する危険性を懸念する関係者
のコメント。
●09-18 (0919-0040)#Er#鳥インフルエンザ、ヒト患者:低病原性鳥インフル
エンザ感染感受性#
[1]低病原性鳥インフルエンザ(LPAI)ウイルスもヒトに感染しうる。
情報源:CIDRAP News、9月13日。
J Infect Dis誌、2005年10月15日号に記載された、Puzelli Sらによる「1999
年から2003年の間に、イタリアでH7型インフルエンザウイルスに曝露されたヒ
トから採取された血清検体の解析」という表題の論文の紹介記事。
ヨーロッパの研究者チームは、H5N1型株のような高病原性鳥インフルエンザ
(HPAI)ではなく、低病原性鳥インフルエンザ(LPAI)もヒトに感染しうるという
自らが最初とする証拠を報告した。イタリア人らの家禽研究チームの研究の中
で、研究結果からは、鳥インフルエンザウイルスは従来考えられていたよりも
ヒトのインフルエンザウイルスと遺伝子組み換えを行う機会が多く、ヒトでの
汎流行のきっかけとなる組み換え株を作り出す可能性があることが示唆された。
ローマ市にあるInstituto Superiore di SanitaのIsabella Donatelli博士を
中心とした研究チームは、1999年8月から2003年7月にかけてイタリア北部の複
数の牧場で、従業員983人から血清検体を採取した。この期間中に現地では数
回の鳥インフルエンザ流行が発生し、その中にはH7N1型のLPAI 株とHPAI株、
およびLPAI H7N3型が含まれた。
血清検体は、それらの鳥インフルエンザウイルスに対する抗体の有無について
検討された。解析の精度を確保するため、複数の検査法を組み合わせた。
最初の流行4件の間およびその直後に採取された血清検体798件は、H7N1型ある
いはH7N3型株に対する抗体は全く検出されなかった。しかし、2002年および
2003年のH7N3型株流行時に採取された血清検体185件中7件(3.8%)は赤血球
凝集抑制試験で、両ウイルス(H7N1型およびH7N3型株)に対して抗体陽性となり、
陽性7件中4件はマイクロ中和法試験(注:原文では赤血球凝集抑制試験となっ
ている)で両ウイルスに対して抗体陽性となった。両検査方法で、H7N3 (LPAI)
型株に対する抗体価がより高値を示した。ウエスタンブロット法では、全7検
体が明白な陽性反応を示した。
著者らは、検査で陽性となった従業員全員が、環境の悪い家禽飼育施設内で、
シチメンチョウやニワトリと密接に接触していたと報告している。鳥インフル
エンザ流行期間中に、インフルエンザ様症状を呈した従業員はなく、1名のみ
が結膜炎症状を呈した。この症状は2003年のHPAI流行時に、オランダの作業員
の一部に認められた病変である。
以下、著者らによる研究結果の解釈など、および論文の要約の引用。
[2]情報源:Journal of Infectious Disease online, Editorial commentary、
2005年10月15日号。
Puzelliらの論文に対するFrederick Hayden および Alice Croisier博士によ
る編集者論評からの要約。
(翻訳省略、原文参照のこと。)
●09-18(0919-0050) #Ea#鳥インフルエンザ-アジア(27):インドネシア、動物
園の鳥類#
ジャカルタ当局は動物園を閉鎖。
情報源:AFX News Limited 。
当局は、ジャカルタ市内の動物園で飼育している鳥類19羽が、鳥インフルエン
ザウイルスを保有していると確認されたため、同園を閉鎖すると発表した。
Anton Apriantono農業大臣は、ジャカルタ市内のRagunan動物園は10月17日ま
で一般公開が中止され、その間に、園内の完全な消毒と感染した動物の治療が
実施される予定であると発表した。同大臣はラジオのインタビューで、動物園
内の数種類の鳥類から採取した検体27件から19件で、鳥インフルエンザウイル
スが検出されたことを明らかにした。
以下、農業大臣のコメント。
●09-16(0917-0110)#Ep#大豆さび病、アジア株-米国(アラバマ州)(04)#
情報源:Southeast Farm Press、9月15日。
9月9日以降も、アラバマ州内では、新たな大豆さび病アジア株による流行2件
が発生した。
●09-17(0917-0120) #Ea#ニューカッスル病、家禽-ジンバブエ:疑い#
情報源:The Herald (Harare)、9月14日。
当局は9月13日に、Matabeleland North 州および Mashonaland Central州の2
州でニワトリ数千羽が死亡した原因は、ニューカッスル病流行が原因とされて
おり、養鶏産業の脅威となっていることを確認した。
畜産局局長Dr Stuart Hargreavesは、事実関係を確認し、当局が流行制圧のた
めワクチン接種を開始したと明らかにした。
以下、政府および州担当責任者のコメント。
●09-16(0918-0010)#C-#蚊族の発生、ハリケーン被災後-米国(06)#
投稿者:Dean L. Winslow(Col, MC, CFS、デラウエア州兵空軍部)。
2005年9月5日から15日まで、ハリケーンカトリーナの被害が最も深刻であった
ルイジアナ州の13郡で展開された合同州兵機動部隊による救援活動の公衆衛生
部門の監督者として参加したWinslow氏からの現地の状況報告。
初期の頃は、不気味な静けさ、野鳥が見られないことが印象的で、蚊の成虫も
ほとんど見かけなかった。郡当局によるベクター(媒介動物)対策システムはま
だ機能していないし、それまで活動していた民間のベクター対策委託者が退い
たため、州兵機動部隊は迅速に状況を評価・管理する必要があった。
米国海軍設営部隊が、瓦礫を撤去し、可能な限りの水溜りを除去するため参加
した。加えて、州兵海・空軍部公衆衛生専門家が、ボウフラが発生する水溜り
となる排水されない下水道を調査したが、確認されなかった。早期に活動拠点
周囲に設置したライトトラップでは比較的少数の蚊族しか確認されなかったが、
1ヵ所のトラップに、9種類もの蚊族がかかったこともあった。
CDCからの昆虫学専門家と共に活動するルイジアナ州保健局は、州兵機動部隊
と共同し、最も危害が深刻であった郡での殺虫剤噴霧を優先している。殺虫剤
噴霧は先週末から開始され現在も継続されている。
●09-17(0918-0020)#Ea#口蹄疫-ロシア(極東地方)(08)#
情報源:Itar-tass、9月17日。
ロシア沿海州で、家畜に対する口蹄疫ウイルスアジア1型株ワクチンの追加接
種が開始された。今回のワクチン接種により、ウシに口蹄疫免疫を確立できる。
概算で、ウシ12万5千頭と小型反芻類10万頭に接種が行われた。沿海州での口
蹄疫流行は現在までに沈静化し、過去数日間は、新たな症例は報告されていな
い。感染したウシの屠殺処分は実質的に完了したが、各地で強化された隔離措
置は2005年10月中旬まで継続される予定である。
[Moderator注:9月10日付ロシア当局からのOIEへの流行報告の内容。]
●05-03(0918-0030)#C#ウエストナイルウイルス最新状況、2005年-西半球
(13)#
目次:
カナダ:[1]ヘルスカナダ、サーベイランスデータ2005年(8月28日~9月3日)。
米国:[2] CDC/ArboNET報告(2005年)。
[3]患者数最新状況-ニューヨーク州。
[4]患者数最新状況-カンザス州。
[1] カナダ、情報源:ウエストナイルウイルス監視活動、カナダ公衆衛生局、
2005 年9月3日。
2005年9月3日疫学第35週時点のカナダサーベイランスデータ。
ウエストナイルウイルス(WNV)全国サーベイランス報告。
ヒト:
第35週には41人のWNV感染患者がカナダから報告された。
[Quebec (3), Ontario (18), Manitoba (9), Saskatchewan (10), Alberta
(1)].
9月3日時点で、合計で127人のWNV患者がカナダ保健局(PHAC)に報告された。こ
のうち119人が臨床例で、8人が無症候性であった。臨床例119人中、27人(23%)
がWNV神経症候群、66人(56%)はWNV非神経症候群、26人(22%)は未分類/不特定
と報告された。13名は旅行関連であった。現時点で3人が、WNV感染により死亡
した。 [Manitoba (1), Ontario (2)]
トリ:
35週には、147羽のトリが検査され、39羽(27%)がWNV陽性であった。新たに
WNV陽性が確認された鳥類を報告した保健区はなかった。
2005年5月2日以来、累計で3554羽の死亡したトリが検査され、365羽(10%)が
WNV陽性であった。365羽中276羽(76%)がアメリカカラスで、88羽(24%)がアオ
カケスであった。
家畜:
35週には、7頭のウマからWNV陽性が報告された:Manitoba (3) 、
Saskatchewan (4)。
蚊族:
35週には、WNV陽性蚊族548プールが報告された:Alberta (1), Saskatchewan
(87), Manitoba (190), Ontario (224) and Quebec (46).
[2]米国-CDC、情報源: CDC、ベクター媒介性感染症部、WNV、9月13日。
2005年米国内でのWNV活動性 (9月13日現在)。
9月13日現在、以下の州からトリとヒトと蚊の感染がCDC ArboNETに報告された:
Alabama, Arizona,
Arkansas, California, Colorado, Connecticut, District of Columbia,
Florida, Georgia, Idaho, Illinois, Indiana, Iowa, Kansas, Kentucky,
Louisiana, Maine, Maryland, Massachusetts, Michigan, Minnesota,
Mississippi, Missouri, Montana, Nebraska, Nevada, New Hampshire, New
Jersey, New Mexico, New York, North Carolina, North Dakota, Ohio,
Oklahoma, Oregon, Pennsylvania, South Carolina, South Dakota,
Tennessee, Texas, Utah, Vermont, Virginia, Washington, Wisconsin, およ
びWyoming州。
ヒトの患者は以下の州から報告された:Alabama, Arizona, Arkansas,
California, Colorado, Connecticut, Florida, Georgia, Idaho, Illinois,
Indiana, Iowa, Kansas, Kentucky, Louisiana, Maryland, Michigan,
Minnesota, Mississippi, Missouri, Montana, Nebraska, Nevada, New
Mexico, New York, North Carolina, North Dakota, Ohio, Oklahoma, Oregon,
Pennsylvania, South Carolina, South Dakota, Tennessee, Texas,
Utah, および Wisconsin州。
以下、州ごとのWNV感染患者・死亡患者数(詳細は原文参照のこと)。
(内容の要約)現在までにWNV感染患者を報告した上記37州で、死亡患者29名を
含む患者1299名が報告されている。そのうち最多の患者/死亡患者数548名/9名
がカリフォルニア州から報告された。患者100名以上を報告したのは、カリフ
ォルニア州、イリノイ州、サウスダコタ州の3州であった。
患者1299名中、497名(38%)がWNV髄膜炎/脳炎(神経侵襲性)で、724名(56%)が
WN熱、78名(6%)が現時点で分類不能であった。
[3]患者数最新状況-ニューヨーク州、情報源:New York Daily News、9月15日。
ニューヨーク市民3人がウエストナイルウイルス(WNV)に感染した。これらの患
者は今年ニューヨーク市で初のWNV感染患者となった。そのうちの1人、44歳ぼ
Queens地区住民のみが現在も病院に入院していると、市保健局当局が昨夜発表
した。
以下、保健局責任者のコメント、市民への感染予防の呼びかけ。
当局は7月に今年初の患者と報告された男性患者は、最終的にWNV感染ではない
と確認されたとしている。
[4]患者数最新状況-カンザス州、情報源:Lawrence Journal - World、9月14
日。
Douglas郡の住民2人が今年カンザス州で第4,5例目のWNV感染患者としてリスト
に加えられた、と州保健当局が9月13日に発表した。
以下、州保健局による今回の患者の概要説明。州内各郡でWNVの活動性が確認
されているため、当局は住民に対して蚊の刺咬予防の勧告を続けている。
●09-16(0918-0040)#Ep#ブドウ黒とう病(植物の炭疽病)、ブドウ-米国(ミシガ
ン州)#
ミシガン州で栽培されるブドウでの_Elsinoe ampelina_によるブドウ黒とう病
の初報告。
情報源:アメリカ植物病理学会誌、Plant Disease Notes。
●09-16(0918-0050)#Ea#炭疽-米国(モンタナ州)(02)#
情報源:Dr. Thomas Linfield()。
今回の流行に関して、問題の牧場では、8月28日~30日ごろに最初のウシ1頭が
死亡し、接いで9月4日~5日に8頭が死亡した。その時点で、牧場主は、残りの
ウシを別の牧草地に移動させた。9月10日までは新たな症例は発生しなかった
が、その後新たな死亡例が発生した。総計でウシ37頭が死亡したとされる。
当初ウシの群れが放牧されていた牧草地は、綿密に掘り返された。感染源は確
認されていない。私は、最初の死亡例が少なくとも感染の第2派の感染源とな
ったのではと考えている。
目次:
[1] コレラ-中国
[2] コレラ-イラン
[3] コレラ-西アフリカ
[4] コレラ-ギニアビサウ
[5] コレラ-ナイジェリア (Adamawa)
[6] コレラ-ナイジェリア (Kaduna)
[7] コレラ、世界各国 - WHO WER報告。
[1]コレラ-中国、情報源:People's Daily Online、9月13日
中国保健省は2005年9月12日、2005年8月の全国疾病流行状況報告を発表した。
保健省の統計では、他の月と比べて8月のコレラ患者数増加が示された。コレ
ラ患者数は116名で、2004年同期に比較して大幅に増加した。患者数が多かっ
たのは、主に農村地域での夕食パーティーによる複数の集団感染が発生したた
めであった。
[2]コレラ-イラン、情報源:FreshPlaza.com
公式統計によれば、報告されたコレラ患者数は若干増加し、2005年8月に死亡
患者8名と患者と626名が発生した。保健省当局は、コレラ流行は、イランの全
30州中15州で発生したと発表した。8月中旬に保健省は、緑色野菜の栽培と販
売を2か月間禁止した。国営テレビもまた野菜や通りで販売されている氷の消
費を避けるように警告を発し、多くのレストランはサラダの給仕を中止された。
[3]コレラ-西アフリカ、情報源:AllAfrica.com and The Times (Monrovia)
リベリア、ギニア、モーリタニア、ギニアビサウ、ブルキナファソなど幾つか
の西アフリカ諸国は、コレラの流行に直面しているとされている。今回の流行
に対応して、ベルギーに本部のある医療援助団体国境なき医師団(MSF-ベルギ
ー)が、更なるスタッフや医薬品を供給しているのと平行して、最新情報が入
ってきている。以下、西アフリカ各国でのMSFの援助内容や流行状況(省略、原
文参照のこと)。
[4]コレラ-ギニアビサウ、情報源:XinHuaNet.com。
都のビサウから2005年9月13日から発信された報告によれば、2005年6月にギニ
アビサウでコレラ流行が始まって以来、総計で住民14,333名が感染し、252名
が死亡した。流行開始以来、毎月5000人近くが感染した。ギニアビサウでは医
療システムが発達していないため、充分な医療を提供できないと保健省は声明
の中で明らかにした。保健省は、流行に対処するために、医薬品や寄付を継続
するように国際社会に要求した。
[5]コレラ-ナイジェリア(Adamawa)、情報源:Daily Independent。
Adamawa州のGuyuk 行政地域Chikil地区での新規のコレラ流行で、少なくとも
10名が死亡したと報告された。今回の死亡患者発生により、同州での1か月以
内の死亡患者数は28名となった。2005年8月には、コレラが同州内の3行政地域
で流行し、少なくとも18名が死亡したと確認された。
以下、当局者による流行の原因についてのコメント、死亡患者数実数は統計よ
りも多い可能性があること、住民への衛生習慣遵守の呼びかけなど。
[6]コレラ-ナイジェリア (Kaduna)、情報源:XinHuaNet。
ナイジェア中央部のKaduna州でのコレラ流行により、10名が死亡し、その他数
名が入院した、と国営メディアが2005年9月9日に報じた。コレラ流行は、
Kafanchan市で発生し、現地議会議長Abraham Jatau氏により確認された、とナ
イジェリア通信社が伝えた。
[7] コレラ、世界各国 - WHO WER報告、情報源:WHO Epidemiological Record、
9月16日
2005年9月10日から16日までコレラの届出。
今週は、コレラの届出は無かった。
●09-16 (0917-0020)#C#ビブリオ感染症、ハリケーン被災後-米国#
情報源:Daily News Journal (Murfreesboro, TN)。
ハリケーンカトリーナの被災者1人が、コレラと診断され、Smyrna空港にある
テネシー州国家陸上警備隊兵器庫避難所で隔離されている、とテネシー州保健
局当局が2005年9月15日に報告した。湾岸地域から避難してきた成人男性は、
2005年9月14日に避難所内で、他の被災者や緊急時対応要員やボランティアか
ら離されて隔離されたと、テネシー保健局広報責任者Andrea Turner氏が明ら
かにした。
州の保健医官は、このコレラ菌株は、被災者と接触した他の一般市民、緊急時
対応要員やボランティアに"危険をもたらすものでない"と述べた。2005年9月3
日からこれまでに、280名以上のハリケーン被災者がSmyrna避難所を経験した。
Turner氏は、ハリケーンカトリーナ被災後、米国内では別のビブリオ感染症が
診断されていることを確認したが、湾岸のへの避難が始まった2005年8月29日
以降、テネシー州では1例が発生したのみである。連邦衛生当局での情報では、
全国では、新規のビブリオ感染症患者22名が確認され、2州で死亡患者5名が発
生したが、テネシー州での(死亡患者)発生はなかった。「患者の大部分は、切
り傷や擦り傷や創傷を受けた避難者であり、汚染された海水に曝露されていた。
人から人への伝播の可能性はない。」とTurner氏は指摘した。
●09-15 (0917-0030)#Ep#大豆シスト(包嚢)線虫-米国(ミシガン州)#
情報源:The Saginaw News、9月13日
●09-13 (0917-0040)#Er#ビブリオ感染症、ハリケーン被災後-米国(02)#
投稿者:Jim Diaz (MD, PhD、ルイジアナ州立大学保健科学センター環境職業
保健学科、公衆衛生学教授)。
_Vibrio cholerae_は、ルイジアナ州には土着感染していないが、さらに病原
性の高い非コレラビブリオ菌は存在し、その感染により死亡患者も発生してい
るし、これからも続くであろう。ニューオリンズに帰ってきたが、現在、蚊は
発生していない。全てのボウフラは、浮遊している石油化学製品によって死滅
した.
しかし、ウエストナイル熱を中心に蚊が媒介する感染症は間もなく再興するで
あろうし、洪水の水が引いた後には、殺虫剤の噴霧が必要になるであろう。
以下、今後被災地で患者の増加が予想される、ウエストナイル熱、下痢症、A
型肝炎、インフルエンザ、結核などについての解説。
人は5k / 10kの実行のレースを発明した?
●09-16 (0917-0050)#C#鳥インフルエンザ、ヒト患者-東アジア(125):イン
ドネシア、診断確定#
[1]情報源:Reuters AlertNet Foundation、9月16日
インドネシア当局は2005年9月16日に、鳥インフルエンザによる4人目の死亡患
者を確認した。WHO高官Lee Jong-wook氏は、9月15日にニューヨーク市で、鳥
インフルエンザウイルスが人の間で伝播するように変異してきており、国際社
会は、汎流行を防ぐために時間の浪費している余地はないと述べた。
H5N1型株(鳥インフルエンザウイルス)は、2003年末からアジア4か国で、死亡
患者64名を出し、またロシアやヨーロッパまで感染拡大した。インドネシア衛
生当局高官は、検査の結果、鳥インフルエンザウイルス感染が、肺炎およびイ
ンフルエンザ様呼吸障害で入院した後、ジャカルタの病院で先週死亡した女性
の原因がであったことが判明したと発表した。
問題の37歳女性は、9月10日に死亡した。患者はジャカルタ南部で養鶏施設近
くに居住していた。しかし、当局は、患者がどのように鳥インフルエンザウイ
ルスに感染したかについて言及していない。
以下、アジアでの鳥インフルエンザ流行の経緯、WHO当局、関係者による鳥イ
ンフルエンザ流行の警告。
[2]情報源:WHO Communicable Disease Surveillance & Response (CSR)、9月
16日。
鳥インフルエンザ-インドネシアでの流行状況-更新29。
インドネシア保健省は9月16日、H5N1型株鳥インフルエンザによる死亡患者を
確認した。死亡した患者は、ジャカルタ在住の37歳女性であった。彼女は、8
月31日に発症し、9月3日に入院し、9月10日に死亡した。鳥インフルエンザ陽
性の検査結果は、香港にあるWHO委託研究所から報告された。
政府は、WHOの支援を受けて調査を開始した。調査の目的は、女性の感染場所
の特定および家族、隣人、治療にかかわった病院スタッフなどの接触者の追跡
である。女性はニワトリやアヒルに曝露される機会が多い地区に住んでいた。
その地区では、最近ニワトリの死亡は報告されていなかった。調査の一貫とし
て、農業当局によって家禽からの検体が採取された。今回の事例は、インドネ
シアで検査によって診断確定された2例目の症例である。
以下、2005年7月に発生した事例について。
● 09-16 (0917-0060)#Ea#炭疽、ウシ-米国(モンタナ州)#
[1]情報源:Washington Post, USA、9月16日。
モンタナ州北東部の牧場で、炭疽によりウシ37頭が死亡したが、問題の牧場は
現在隔離されている、と州獣医官が9月15日に明らかにした。
[2]情報源:Cattlenetwork.com (AP)、9月16日。
モンタナ州北東部の牧場で、炭疽によりウシ37頭が死亡し、今後新たな症例が
発生してもおかしくないと、と州獣医官が9月15日に述べた。
「症例が発生した州北東部のCulbertsonにある大規模牧場は、9月12日以来隔
離されている。9月12日に、モンタナ州畜産局は炭疽が疑われていることを初
めて知った。残りのウシ数百頭は、別の牧草地に移動されたが、これらの個体
は感染感受性であるか、炭疽に曝露された可能性があると考えられるため、抗
生剤が投与され、ワクチン接種が行われている。」と同獣医官は述べた。畜産
局では、2回目のワクチン接種は10日間以内に予定され、牧場は約40日間隔離
される予定であるとしている。
●09-16 (0917-0070)#C#病原性大腸菌O157、レタス-スウェーデン(West Coast
地域)#
投稿者:Marika Hjertqvist (スウェーデン感染症研究所)。
現在(2005年9月16日)までに、スウェーデンのWest Coast地域(Halland および
Vastra Gotaland郡)で住民110名が腸管出血性大腸菌O157ベロ毒素2型株に感染
した。スウェーデン国内の他の地区でも、数名が同じ期間に同じ疾病に罹患し
た。発病した患者らは、West Coast地域を訪れていたか、同じ生産者が出荷し
たレタスを食べていた。今回の集団発生では、最初の患者は2005年8月16日に
発症し、最後の患者は2005年9月10日に発症した。7名がHUS(溶血性尿毒症候群)
を合併した。患者の大部分が、成人であり、3分の2が女性であった。この流行
に対する疫学調査では、現地のレタス生産者が流行の感染源であることが強く
疑われた。問題のレタスは、2005年9月9日に市場から回収された。
●09-15 (0917-0080)#C#病原性大腸菌O145、死亡患者-スロベニア#
情報源:Eurosurveillance。
スロベニアのKranjにある地方公衆衛生研究所は、ベロ毒素産生の病原性大腸
菌O145による血性下痢を呈した死亡患者1例を報告した。2005年8月8日、従来
健康であった22か月齢の少女が、溶血性尿毒症候群(HUS)に関連した心筋炎で
死亡した。患児は、2005年8月3日に血性下痢で発病したが、発熱も腹痛も認め
られなかった。彼女は2日間入院し、対症療法を受けた。退院した当日容態が
悪化し、神経症状を呈し、再入院となり、そこでHUSの診断を受けた。
病原性大腸菌は、標準手技で得られた便検体から分離された。血清型O145は、
血清型特異抗原を用いて決定された。分離株はベロ毒素に対するELISA検査で
検査され、VTEC O145感染は患児が亡くなる前に確定された。疫学調査の間に、
2軒の肉屋から食肉と水検体7件が採取された。大腸菌は大部分の検体から分離
されたが、血性型O145は分離されなかった。患児は、農村部に住んでいて、外
国に旅行したことはなかった。他の小児や成人との接触は極めて限られていた。
患者家族は、地区の上水道からの水を飲用していた。定期的な検査では上水か
ら大腸菌が検出されたことはなかった。家族は家畜を飼っていなかったが、子
供はよく飼い猫に接触していた。家族は、村の肉屋から購入した肉で自分たち
の食事を作っていたが、子供が発病するる数日前にもひき肉を購入していた。
この肉が感染源である可能性が高いと考えられているが、大腸菌検査用の食肉
は残されていなかった。
胃腸炎は、夏季中この地域では比較的一般的である。他の症例との関連は確認
されていない。他の家族は胃腸炎症状を呈していない。過去5年間でスロベニ
アにて、大腸菌O145が分離されたのは18例のみである。しかし多くの検査室で
は大腸菌O145の検査を行わないため、この統計は実数を過少に評価している可
能性が高い。
Enter-netのデータでも、この血清型株は一般的でない。2000年~2004年の
Enter-netのVTECデータベースでは、9358件報告中224件(2.4%)のみが大腸菌
O145感染と示されている。(しかし、病原性大腸菌O157の感染が有意な)英国と
アイルランドからのデータを除外すると、大腸菌O145感染はヨーロッパ本土で
報告されている血清型株の第4位であり、5123件報告中224件(4.4%)を閉める
ことになる。このデータベースには、スロベニアからのデータは含まれていな
い。
[Moderator注:血清型O157以外の病原性大腸菌血清型株による消化管感染症の
解説。参考文献8件。]
●09-16 (0917-0090)#Ea#口蹄疫、ウシ-コンゴ民主共和国:OIE#
情報源:OIE Disease Information Disease Information 16 Sept 2005 Vol.
18 - No. 37
コンゴ民主共和国での口蹄疫の緊急告知。
報告日:2005年8月26日。
Uvira地域Ruzizi地区で、口蹄疫流行2件が発生した。診断は南アフリカの
Onderstepoort獣医学研究所で実施された。病院ウイルスは口蹄疫ウイルス
SAT1, SAT2, SAT3 およびA型株。流行対策として、一部の家畜の処分、国内の
家畜移動の制限、感染域の指定などが実施された。
●09-16 (0917-0100)#Ep#ツボカビ(Chytrid fungus)、カエル-英国(イングラ
ンド)#
情報源:BBC news、9月15日
両生類の多くの種に致死的である真菌が、初めて英国の野生動物で確認された。
ツボカビ(Chytrid fungus)は、世界中で両生類の個体数減少の主要な原因とな
っており、ある種は感染により絶滅した可能性も出ている。
今回その存在が、南東部イングランド地方にある湖を生息地としているアメリ
カウシガエルのコロニーで確認された。英国では以前にも捕獲された個体では
_Batrachochytrium dendrobatidis_による感染が確認されていたが、野生生物
では未確認であった。
情報源:HeraldToday.com、9月13日。
オレンジやグレープフルーツの木数千本を根こそぎ野積みにして焼却。
北部Manatee郡で柑橘類癌腫病が再興し、5万本の木に被害が出た。専門家は
2004年のハリケーンにより感染が広がったと推測。以下略。
●09-14(0916-0020)#C#ビブリオ・バルニフィカス(Vibrio vulnificus)-米国
(04):コレラ菌以外のビブリオ属菌による感染症#
ハリケーンカトリーナ被災後のビブリオ感染症-複数の州、2005年8月~9月。
情報源:CDC, MMWR 2005年; 54(Dispatch):1-4。
ハリケーンカトリーナは2005年8月29日に上陸し、米国のメキシコ湾岸地域に
多大な被害をもたらした。8月29日-9月11日の間に、二つの州に住んでいた5
名の死亡患者を含む、新たな22名のビブリオ感染症患者が調査により確認され
た。
(参照)
これらの感染症は_V. vulnificus_、_V. parahaemolyticus_や非毒素産生性_V.
cholerae_に起因する。これらの菌は環境の中に存在し、ヒト・ヒト感染によ
る流行は起こしにくい。コレラの原因菌である毒素産生性_V. cholerae_の血
清型01や0139による患者は見つかっていない。この報告は、州および現地保健
当局やCDCによる調査結果を要約し、実例3例を記述して、ビブリオ感染症の参
考資料を提供するものである。調査結果は、臨床上の認識を高め、患者検体の
適切な培養、ビブリオ属菌による感染症(特に創傷感染に関連した)の経験的治
療などの必要性を強調している。2005年9月5日以降発症した患者は確認されて
おらず、新たなビブリオ感染症患者は調査中である。
創傷関連感染症:
18例の創傷関連ビブリオ感染症が報告されている。居住地については原文参照。
17例からの検体が臨床検査室にて検査され、14例(82%)で_V. vulnificus_が、
3例(18%) で_V. parahaemolyticus_が検出された。5例(28%)の死亡例中3例
は_V. vulnificus_、2例は_V. parahaemolyticus_によるものであった。
年齢、性差、基礎疾患については原文参照。
非創傷関連感染症:
4例が報告されている。居住地については原文参照。うち2例についてはビブリ
オ菌の種や臨床所見情報が得られており、非毒素産生性_V. cholerae_による
胃腸炎であった。1例は2ヶ月男児で、下痢便の培養によりサルモネラグループ
C2と_V. cholerae_ non- O1、non-O139が培養された。_V. cholerae_ non-O1、
non-O139が同定されたもう1例は成人例である。死亡例は報告されていない。
症例報告:
ビブリオ創傷感染の急激発症と重篤性を説明するため、3症例を略述する。
(訳省略、原文参照のこと。)
MMWR編集部注釈:
ハリケーン・カトリーナのような自然災害の後、感染症の危険が増すことは公
衆衛生上の懸案事項である。この報告では、ハリケーン後に創傷が溢水に暴露
することによる創傷感染を含めた、ビブリオ属菌による感染症について記述し
ている。これらの結果は、ビブリオ創傷感染症に対する保健当局の迅速な認識
と対応の必要性を強調している。
以下、例年のメキシコ湾沿岸におけるコレラ、および非コレラビブリオ感染症
患者の発生状況、非コレラビブリオ感染症の特徴など。>
●09-15(0916-0030)#Er#蚊族発生、ハリケーン被災後-米国(05)#
投稿者:David Gaines (Ph.D、バージニア州保健局、公衆衛生昆虫学者)。
ProMED-mail記事「蚊族発生、ハリケーン被災後-米国(03)」への応答。
ウエストナイルウイルスの「保有宿主」としての鳥類に関する情報の整理が必
要であると思われる。またウエストナイルウイルス感染伝播サイクルに対する
ハリケーンの影響について自らの考えを追加したい。
ハリケーンは、ウエストナイルウイルス感染伝播サイクルを破断しうるであろ
うか?
蚊族は成虫もボウフラもハリケーンの影響で一掃された可能性が高い。
鳥類ではなく、蚊族の成虫がウエストナイルウイルスの土着保有宿主である。
なぜなら、こうした(感染性を帯びた)蚊族は寿命が尽きるまで感染性が持続す
るからである。もしそうであるなら、蚊族の成虫は暴風雨によってほぼ一掃さ
れたのであるから、現地のウエストナイルウイルス感染伝播サイクルは断ち切
られた可能性がある。
ウエストナイルウイルスの一時的な宿主として機能している鳥類には、カラス
類のみならずスズメ目の多数の種が含まれる。さらに言えば、鳥類は同ウイル
スの保有宿主とは事実上考えられない。鳥類は増幅動物(amplifying hosts)で
ある。鳥類がウエストナイルウイルスに感染した場合、感染性を帯びるのは短
期間(約4~5日間)のみで、その間種類に応じて各個体は、不顕性感染であった
り、発病したり、死亡したりする。この期間が終われば、免疫によってウエス
トナイルウイルスが中和されるか、感染によって個体が死亡する。いずれの場
合でも、鳥類はそれ以上蚊族に対して感染性を持続しない。
もしハリケーンによって現地のイエカ属Culexの大部分が死滅すれば、新たな
イエカが現地に再定着するには時間がかかる。その時までには、現地の鳥類は
蚊族への感染性を失っている。従って、ハリケーン後数週間は、最も被害の大
きかった湾岸地域で、蚊族にウエストナイルウイルスの感染循環が盛んになる
可能性は小さい。
[Moderator注:上記の意見記事に対するMod.MSの応答。投稿者の論理は大筋で
認めているが、一般的には鳥類はウエストナイルウイルスの保有宿主と考えら
れているとして、感染性を持続するダニと鳥類の間に感染循環が維持される事
実などを挙げている。また蚊族の再定着までの期間の予測は困難としている。]
●09-15(0916-0040)#C#A型肝炎-ロシア(Nizhniy Novgorod地域)#
情報源:NovostuRos.com、9月14日。
Nizhniy Novgorod(ニージニーノブゴロド)地域では、A型肝炎に罹患する住民
数の増加が続いている。Nizhniy Novgorod Oblast(地域) 保健当局責任者
Eugeny Petrov氏は9月14日に、現在明らかにされている情報よれば、住民356
人がA型肝炎により市内各地の病院に入院していると発表した。新規患者の大
部分は市内のSormovskiy地区に居住している。しかし、18人はMoscow地区住民
であった。
医療機関当局によれば、Sormovskiy地区では、14歳未満の小児31人を含むA型
肝炎患者196人が記録されている。A型肝炎患者は3つの感染症病院(第2、第14
および第23)に収容されているが、さらに830床のA型肝炎患者受け容れ余地が
ある。
最初の患者は2005年9月6日に診断され、9月13日までに同保健当局責任者は、
Nizhniy Novgorod地域では1週間に40~50例のA型肝炎患者が記録されていると
報告した。肝炎患者の60%は、9月10日~12日に記録された。Eugeny Petrov氏
はまた、ロシア保健局のスタッフが感染源を特定したと述べた。流行を制圧す
るために、保健局は市民に対して、衛生習慣を順守し、飲料水を煮沸消毒する
よう勧告した。
主任医務官は、複数のワクチン診療所が、A型肝炎ワクチンの予防接種のため
に市内に間もなく開設される予定であると示唆した。ロシア保健局のスタッフ
は、今回の疫学調査を実施する予定である。
ロシア保健局によれば、今年Nizhniy Novgorod地域では、A型肝炎感染が拡大
しやすい疫学状況にある。2005年8月末時点で、当地のA型肝炎罹患率は、昨年
同期の1.8倍であり、14歳未満の小児での罹患率に限れば、2.5倍となっている。
[Moderator注:Nizhniy Novgorod市(旧ソビエト連邦時代は、Gorky市と呼ばれ
ていた)は、ロシア第3の都市である。ロシアの都市および農村部の多くの地区
では、A型肝炎感染予防対策(ワクチンの定期接種、社会インフラ整備など)が
不十分である可能性が高く、旅行者には感染予防のためA型肝炎ワクチン接種
が勧奨される。]
●09-15(0916-0050)#C#インフルエンザ活動性最新状況および2005/2006年ワク
チンの勧告#
インフルエンザ活動性最新状況、米国及び世界各国:2005年3月22日~9月3日、
および2005/2006年ワクチンの勧告内容
情報源:CDC, MMWR, 2005年9月16日、54(36);899-902。
2005年3月22日~9月3日には、インフルエンザA (H3N2)ウイルスが世界中で感
染循環しており、インフルエンザA (H1)* およびBウイルスの報告数は減少し
た。北米では、インフルエンザA (H3N2), A (H1),およびBウイルス株が散発的
に同定された。
米国でのインフルエンザ活動性:(詳細は省略、原文参照のこと。)
2005年3月22日~9月3日の間、WHOおよびNREVSS協力検査機関は、呼吸器検体14
016件を解析した。120件(0.9%)がインフルエンザ陽性であった。陽性検体の
うち、66 件(55%)がインフルエンザB ウイルス、33件 (28%)がインフルエン
ザA (H3N2) ウイルス、 1件(0.8%) がインフルエンザA (H1)ウイルス、20件
(17%) が亜型不明のインフルエンザAウイルスであった。これら分離株の大部
分(78%)が、5月中旬から6月末に検査され、この時期の検体の1.3%がインフ
ルエンザ陽性となった。7月以来では、検討された検体の0.4%がインフルエン
ザ陽性となっている。
世界各国でのインフルエンザ活動性:
2005年3月22日~9月3日の間、アジア(中国、香港、日本、韓国およびタイ)で
はインフルエンザA (H3N2)ウイルスが優勢であった。インフルエンザA (H3N2)
ウイルスは、オマーンとシンガポールでも同定された。インフルエンザA (H1)
ウイルスが、中国、香港、インド、インドネシア、日本、韓国およびマレーシ
アから報告された。インフルエンザBウイルスは、中国、香港、インドネシア、
韓国、ネパール、フィリピンおよびタイから報告された。
オセアニアでは、この期間中に、オーストラリアでは、インフルエンザA
(H3N2 型株および亜型不明株)が優勢であった;ニュージーランドでは、イン
フルエンザBウイルスが流行の原因であった。インフルエンザBウイルスは、オ
ーストラリアおよびニューカレドニアでも報告された。アフリカでは、インフ
ルエンザA ウイルス(H3N2型株およびH1型株) とインフルエンザ Bウイルスの
両方が、南アフリカから報告され、インフルエンザA ウイルス(H3N2型株)とイ
ンフルエンザ Bウイルスがマダカスカルから報告された。インフルエンザ Bウ
イルスはケニアからも報告された。
2005年3月22日~9月3日の間、南アメリカでは、インフルエンザA (H3N2 型株
および亜型不明株)が、アルゼンチンとチリで発生した地域流行の原因となり、
ブラジル、コロンビア、ペルー、ウルグアイからも報告された。インフルエン
ザBウイルスは7月にコロンビアで発生した流行の原因であり、アルゼンチン、
ブラジル、チリおよびウルグアイからも報告された。インフルエンザA (H1)ウ
イルスはペルーで報告された。北アメリカでは、インフルエンザA (H3N2 型株
および亜型不明株)ウイルスとインフルエンザBウイルスが、カナダ、メキシコ
および米国から報告された。米国当局は、インフルエンザA (H1)ウイルス1件
を報告した。インフルエンザA (H3N2)ウイルスは、エルサルバドルおよびパナ
マからも報告された。
インフルエンザ分離株の特性分析:(訳省略、原文参照のこと。)
鳥インフルエンザA (H5N1)型株:(訳省略、原文参照のこと。)
インフルエンザワクチンの供給と勧告:(訳省略、原文参照のこと。)
米国内のワクチン供給体制と米国市民へのインフルエンザワクチン接種の勧告。
ハリケーンカトリーナに被災した避難者へのワクチン勧告:
避難民が密集した場所で生活している6カ月以上の全避難者は、インフルエン
ザワクチンの接種を受けるべきである。8歳未満の小児は、少なくとも1カ月の
間隔をあけて、2回の接種を受けるべきである。
以下、MMWR編集部注釈、インフルエンザ情報が記載されたCDCウェブサイトURL、
参考文献一覧、脚注(訳省略、原文参照のこと。)
●09-15(0916-0060)#C#炭疽、ヒト患者-アゼルバイジャン#
情報源:News agency: Regnum。
アゼルバイジャンで、新たな炭疽患者複数名が記録された。保健省は現在患者
4名を確認している。同国のNakhchivan地域Shihmahmud村在住の父子2名が、重
症感染症のため、首都Bakuに搬送された。同村の行政当局責任者によれば、父
親はNakhchivan市で畜殺者として働いており、職業上の感染である可能性が高
い。これ以前に、炭疽患者3名がSamuhskiy地区住民に確認されていた。
[Moderator注:現時点で、Babeksky地域の3村ではウシ症例が、Samuhskiy地域
ではヒト患者4名(たぶん5名)が発生していることから、Babeksky地域での多数
のヒト患者とSamuhskiy地域でのウシ症例が報告されていないことが明白であ
る。記事内の患者数からすると、患者1名については、まだ診断が確定されて
ないようだ。]
●09-15(0916-0070)#C-#ペスト、実験マウスの紛失-米国(ニュージャージー
州)#
情報源:ABC News。
FBI(連邦捜査局)とCDC(疾病対策センター)は、ニュージャージー州の実験施設
から致死的なペスト菌に感染したマウス少なくとも3匹が紛失した事件を調査
している。問題のネズミは2週間前から所在が確認できていない。
情報筋は、感染症研究の先端的なセンターである公衆衛生研究所が運営する実
験室のあるニュージャージー州Newark医科歯科大学の従業員に対して、聞き取
り調査を行ったりポリグラフをかけている。テロの兆候は認められていない。
以下、公衆衛生上の脅威はないとする、FBIのNewark現地事務所広報官のコメ
ント。ニュージャージー州当局も、保健上のリスクは小さいと評価している。
当局では、感染したネズミは失踪後間もなく死亡した可能性が高いとしている。
他方、政府当局者の中には、一部の最も危険性の高い感染症研究とその実験施
設の安全性について、深刻な懸念を示す者も出ている。
ジェイク·ケラーは何歳ですか?
ハリケーンカトリーナ被災地でのウエストナイルウイルスおよびセントルイス
脳炎感染伝播の可能性。
情報源:The Washington Post。
国立アレルギー感染症研究所のAnthony S. Fauci,所長は、高齢者や免疫不全
患者にとって危険性が高く致死的となるウイルス感染症である「ウエストナイ
ルウイルス感染の相当規模の流行が発生する可能性がある。」と指摘した。だ
が、これから数週間はそうしたことが発生する可能性は小さいだろう。メリー
ランド大学医学部内科小児科学教授のRobert Edelman氏は、ハリケーン
Camilleが1969年に米国東部に大きな災害をもたらした際、豪雨と暴風雨によ
り1ヵ月間蚊族の発生が一掃されたことを想起し(指摘し)ている。
しかし、一度蚊族の繁殖サイクルが復活し、蚊の卵が水溜りで孵化し始めれば、
湾岸地域の住民は、ウエストナイルウイルスとセントルイス脳炎ウイルスの両
方による感染リスクが高まる可能性がある。地区内の広域殺虫剤散布は流行の
規模を縮減させる可能性がある。水溜り中の毒性の化学物質や油が、蚊族の繁
殖を阻害するかどうかは不明である。ウエストナイル熱もセントルイス脳炎も、
ヒト・ヒト感染はしない。
[Moderator注:ウエストナイルウイルスとセントルイス脳炎ウイルスの媒介蚊
の種類、ボウフラおよび蚊の成虫に対する駆除対策の有効性、両ウイルスの保
有宿主である鳥類がハリケーンによってどの程度被害を受けているかといった
議論。]
●09-13(0915-0010)#C#日本脳炎 - ネパール(03)#
保健副大臣は、日本脳炎による死亡に関する報道に反論。
情報源:The Rising Nepal、9月13日。
別の報道機関が報じた日本脳炎による複数の死亡患者発生報道は真実ではない。
死亡患者のうち40%のみが日本脳炎が原因であったと、保健省が9月12日に発
表した。
Nikshya Shumsher Rana保健副大臣は、公表された報道に注意を払い、同省が
再調査したところ、死亡患者の60%が、インフルエンザや他の疾患といった別
の原因によるものであることが確認されたと明らかにした。
疫学疾病対策部(EDCU)によれば、2005年9月第2週までに報告された死亡患者
1,249例中204例のみが日本脳炎によるものであった。
Rana保健副大臣は、2004年以来保健省が率先してワクチン接種を実施している
ものの、政策レベルの困難さのため遅延していると述べた。ワクチン接種は試
験的に5年前に開始されたが、手続きなどの困難さのため、1年後には注視され
た。同省は、政府はワクチン接種を再開するため作業中であり、計画案は内閣
で議論されている。計画案が通過すれば、ワクチン27,000ユニットが第1期分
として搬入される予定である。WHOは20,000ユニットを供給する予定である。
以下、保健副大臣、EDCU責任者、保健省広報官によるネパールの日本脳炎対策
とその予算、ネパール国内の日本脳炎の疫学についてのコメント。
[Moderator注:検査データに関する詳細情報が必要である。ProMED情報筋から
の提供を期待する。]
●09-13(0915-0020)#Ep#インゲンマメに感染するウイルス - イラン:初報告#
情報源:アメリカ植物病理学会誌、Plant Disease Notes。
イランでのインゲンマメ(French bean 、_Phaseolus vulgaris_)に感染するウ
イルス調査結果には、インゲンマメ南部モザイクウイルス(southern bean
mosaic virus)と
bean pod mottle virusに関する初報告が含まれている。
●09-14(0915-0030)#C#炭疽、ヒト患者 - アゼルバイジャン#
情報源:News agency Regnum、9月14日。
アゼルバイジャンのSamuhskiy地区住民3名が、炭疽に罹患した。この危険な感
染症の感染拡大防止のための緊急対策が実施されている。
Gandzhaの牛肉市場は2週間閉鎖された。市内の食肉販売に対する衛生対策が強
化され、違法な食肉販売店は閉鎖させられた。迅速に対策が実施されたため、
Gandzha市民には炭疽患者は発生していない。地域内の食肉と乳製品の取引は
減少している。現地住民は、炭疽感染を恐れて、食肉と乳製品の購入を控えて
いる。
●09-13(0915-0040)#C#炭疽、ヒト患者 - ロシア(Northern Osetia)#
ロシアNorthern Osetia地域のSevernaya共和国で、炭疽患者発生。
情報源:News agency Regnum、9月9日。
Prigorodniy地区Chermen村の住民2名が、(Severnaya共和国の首都)
Vladikavkaz市にある病院の感染症科に搬送された。患者らは、皮膚炭疽によ
り入院となった。同共和国の主任医官は、今回の患者は数日前にNorthern
Osetia地域で発見されたと明らかにした。
●09-14(0915-0050)#Ea#口蹄疫 - ロシア(極東地方)(07)#
情報源:Dow Jones Newswire、9月14日。
ロシアで9月12日に、口蹄疫症例複数が確認される。
緊急事態省は9月13日、ロシア極東地方のKhabarovsky and Primorsky地域で、
新たな炭疽症例103頭が発見されたと発表した。炭疽流行は増悪しており、9月
11日にも新規症例38頭が発見されていた。同省は、現地時間9月13日午前6時時
点で、感染した家畜総数は1,719頭に達したとしている。
炭疽感染がKhabarovsk地域で2005年8月21日に、Primorsky地域では8月26日に
最初に報告されて以来、両地域合わせて10地区で感染事例が確認されている。
同省は、9月11日の257頭と12日の107頭を含め、合計で家畜1,582頭が屠殺処分
されたと発表した。
[Moderator注:今回の口蹄疫流行は拡大を続けているようであるが、ロシア当
局からOIEへの報告はなされていない。]
●09-14(0915-0060)#Er#蚊族発生、ハリケーン被災後 - 米国(04)#
投稿者:Monir Taha (MD, MHSc, CCFP, FRCPC、カナダオンタリオ州Halton地
域保健局)。
先の記事中のモデレーターのコメント「スズメ目やハト目がセントルイス脳炎
ウイルスの保有宿主であり、カラス類corvidsがウエストナイルウイルスの保
有宿主であることを思い起こせば、今回のハリケーンの現地鳥類に対する影響
はどの程度であろうか。」に関連して、Komarらの, "Experimental Infection
of North American Birds with the New York 1999 Strain of West Nile
Virus"の文献が参考になると思われる。その中で著者らは、「実験データを解
析した結果、スズメ目、charadriiformの鳥類および猛禽類少なくとも2種(ア
メリカチョウゲンボウおよびアメリカワシミミズク)は、検討した別の鳥類種
(カモ目、ハト目、キジ目、ツル目、キツツキ目およびオウム目)よりも保有宿
主としての適正が高い。実際後者の多くの種は感染伝播には関与しないことが
確認された。」と結論している。
(02):訂正#
ProMED-mail編集部は、今回の亜硝酸ナトリウム中毒の発生報告が、カザフス
タン国内のAlma Atyにあるキルギスタン総領事館から発表され、患者の中には
キルギスタン人が含まれていたが、実際の発生場所は、(カザフスタンの)Alma
Aty近郊の町であったということを指摘してくれたCharles Chambers氏に感謝
する。
●09-13 (0914-0020)#C#ポリオ-アフリカ(09):ソマリア、エリトリア#
[1]情報源:WHO CSR。
ソマリアのMogadishuでポリオ患者1名が報告された。15ヵ月の女児が、2005年
7月12日に麻痺がを発症した。ウイルスの起源を決定するため遺伝子解析が行
われている。ソマリアでは2002年からポリオ患者は発生していなかった(ポリ
オフリー)。
WHO,国際ロータリー、米国CDC,ユニセフが陣頭指揮を執る世界ポリオ撲滅計
画(Global Polio Eradication Initiative)は9月13日に、アフリカの角地域
(ソマリア付近)でのポリオの再興を防ぐために、新たな予防接種キャンペーン
を開始した。
[2]情報源:ポリオ撲滅計画ウェブサイト、9月13日プレス発表。
WHO,国際ロータリー、米国CDC,ユニセフが陣頭指揮を執る世界ポリオ撲滅計
画(Global Polio Eradication Initiative)は9月13日に、アフリカの角地域
(ソマリア付近)でのポリオの再興を防ぐために、新たな予防接種キャンペーン
を開始した。今回の新計画は、2002年以来ポリオフリーとなっていたソマリア
のMogadishuでポリオ患者1名が確認されたことを受けたものである。
この計画では、2005年9月から11月の間に、ソマリア、エチオピア、イエメン、
スーダン、エリトリア、ジブチおよびケニア各地、コンゴ共和国の8カ国が協
調して、大規模な一連の予防接種キャンペーンが行われる予定である。このキ
ャンペーンでは、3400万人以上の小児にポリオワクチンを複数回接種し、アフ
リカの角地域の集団免疫を迅速に増強する予定である。迅速で大規模な対策は、
Bill & Melinda Gates基金による2500万ドルの助成やEC人道支援局(ECHO)を
含む他の援助機関の支持により可能となった。
計画は、隣接するエチオピアやイエメンでの流行が、往来の盛んな国境を越え
て、ソマリアに波及するという懸念が増大する中で、過去数週間に決定された。
Mogadishuでポリオ患者が確認されたことで、緊急対策の迅速な実施が必要と
なっている。全国規模の5回のキャンペーンが、大流行のリスクを予防するた
め、最近では6月、7月および8月に行われたが、国内の政情不安や定期予防接
種率が低いことから、ソマリア中にポリオウイルスが急速に広がってしまう可
能性がある。
以下、関係者のコメント、計画されている予防接種キャンペーンの概要、2005
年7月にMogadishuで確認された症例、世界ポリオ撲滅計画の説明など。
●09-09 (0914-0030)#C#チクングニア-マヨット(Mayotte), レユニオン, コモ
ロ諸島#
情報源:Institut de Veille Sanitaire、9月7日
2005年9月7日現在のチクングニア流行状況。
国際的な流行状況
チクングニアの流行は、2005年1月からコモロ諸島で報告されてきた。現時点
で、患者5000名以上が報告されている。モーリシャス(諸島)でも、患者3600名
以上が、4月末から6月末までに報告された。
レユニオン島:
レユニオン島で2005年3月28日から8月22日までに、チクングニア患者3181名が
確認された。そのうち、883名が血清学的に診断確定された。報告された新規
患者数は、4月中旬まで規則的に増加した。これらの患者は現地で集団感染し
たもので、輸入患者ではない。5月中旬から流行は沈静化されたようで、毎日
の新規患者数は減少し、8月以来は数名に落ち着いている。
以下、地区別の発生患者数、実施された対策、流行が南半球の冬季中に終息し
ない場合は、流行の再燃する可能性が否定できないことなど。
マヨット(Mayotte)島:
2005年4月末以来、マヨット島では、多数の患者が確認され、媒介蚊対策が強
化されている。
フランス本国都市部:
コモロ諸島やモーリシャス諸島からフランス本国に帰国して発病した患者中に、
多くの症例が確認されている。現在のところ、フランス本国では2次感染のリ
スクはない。
[モデレータ注:2005年年初以来のチクングニア流行数は、最近数年間と比べ
て極めて多くなっている。さらに、インド洋海盆の東側より西側(東アフリカ
沿岸の島)でチクングニアの流行が多い。このシフトは奇妙に思える。この分
野の専門家から更なる情報や説明を希望する。-Mod.RY]
●09-13 (0914-0040)#Ec#カレンダー2005年(23):第12回世界感染症学会、
リスボン、2006年6月#
2006年6月に開催される第12回世界感染症学会の告知。
●09-13 (0914-0050)#Ep#大豆さび病, アジア株 - 米国(複数の州) (08)#
情報源:Southeast Farm Press、9月12日
●09-13 (0914-0060)#C#日本脳炎-インド(Uttar Pradesh 州)(07)#
[1]情報源:NewKerala.com, India、9月13日
連邦政府保健省当局が、日本脳炎の脅威が2005年12月まで続くであろうと予報
した時と一致して、過去24時間に新たな死亡患者21名が報告された。このため、
Uttar Pradesh州での死亡患者数が713名となった。
Uttar Pradesh州東部の日本脳炎流行の中心であるGorakhpurのBaba Raghav
Das 医科大学(BRDMC)、LucknowのKing George医科大学(KGMU)病院および他の
複数の地区病院では、まだ絶え間なく患者を受け入れている。
州内の25地区で致死的な日本脳炎ウイルス感染が発生しているが、Allahabad
が新たに感染地区のリストに加えられた。新たに報告された死亡患者中7名が、
Allahabadで発生した。2005年7月28日に最初の患者が報告されて以来、同州で
は患者3000名以上が記録された。
州東部での被害が最悪で、日本脳炎患者2600名以上がBaba Raghav Das 医科大
学(BRDMC)のみで記録されたと現地当局筋が明らかにした。情報筋は、
Maharajganj、 Basti、 Kushinagar、 Ghazipur、Mau、 Azamgarh、 Sant
Kabirnagar、Deoria、Balrampur 、Gonda出身の患者が、Gorakhpur医科大学に
入院していると加えた。
[2]情報源:Sify, India、9月13日
インド北部での日本脳炎流行による死亡患者総数は、9月13日に新たに死者11
名が報告されたため、675名に増加したが、保健当局は、日本脳炎は制圧され
たとしている。以下、当局者による現地各地での患者発生状況、Uttar
Pradesh州での日本脳炎流行の疫学。
一方、ネパールの国営メディアは、2005年6月中旬に脳炎流行が顕在化して以
来、少なくとも204名が死亡したと発表した。
[3]情報源:World Health Organization (WHO)。
2005年7月29日から8月30日にかけて、日本脳炎患者1145名が、インドのUttar
Pradesh州の14地区から報告された。これらの患者のうち約4分の1(296名)が死
亡した。隣接するBihar地区出身の患者90名が、Uttar Pradesh州内の複数の病
院に入院した。
患者が発生した村の大部分は、各々患者1名のみを報告している。患者が発生
した村々での昆虫学調査では、日本脳炎の媒介昆虫である_Culex
tritaeniorhynchus_(コガタアカイエカ)および _Culex vishnui_群の高密度の
発生が確認された。
さらなる情報は、WHO東南アジア地域事務局のウエブサイトをご覧ください。
[モデレータ注:日本脳炎ウイルスを保有し、ヒトに感染伝播する重要な媒介
昆虫(イエカ属)が調査された。今回の昆虫学調査を裏付ける更なるデータが存
在するのであれば知りたい。Uttar Pradesh州での日本脳炎流行が、どのよう
にまたなぜ今年これほどまでに増悪したのかに関して、昆虫学専門家との意見
の交換を希望する。―Mod.RY]
[1]ハリケーン被災者に発生したノロウイルス流行は沈静化。
情報源:Washington Post、9月9日。
ハリケーンカトリーナ被災者数千名が居住する避難場所で活動する医師団は9
月9日、数百名の下痢と嘔吐の原因となったウイルス性感染症流行を制圧した
と述べた。Harris郡公衆衛生緊急局の責任者Dr Hermenia Palacioは、約700名
が治療受けたが、ウイルスの感染拡大を防止するため、40名は現在も隔離され
ていると明らかにした。被災者らはノロウイルス感染と診断された。ノロウイ
ルス感染症状は比較的軽症であるが、医師団は流行拡大を防止するため、一部
の患者を隔離するという予防措置を取った。
被災者約3,000人が、避難先のAstrodomeで公衆トイレを使用している。患者は
症状が認められなくなって48時間 が経過するまで隔離される。CDCの広報官は、
被災地域全域の非難シェルターで同様の流行報告があるが、ノロウイルス感染
は広範囲な問題とはなっていないようだとしている。
Dr Palacioは、ヒューストン市内のAstrodomeと Reliant Centerでのノロウイ
ルスウイルス流行は9月5日がピークであったと述べた。以下、今回のノロウイ
ルス流行の経緯を述べるDr Palacioのコメント。
[2]赤痢やコレラの噂は事実無根。
情報源:Myrtle Beach Online、9月9日。
ハリケーン被災後間もなく流された赤痢やコレラ流行の噂は事実無根であった
とする報道。
保健当局は、赤痢やコレラの流行は発生していないと発表した。検査の結果、
赤痢流行の恐れが高まった下痢症流行は、ノロウイルス感染が原因と判明した。
以下、現地で医療活動に当たっている当局スタッフや住民のコメント、
●09-11(0912-0050)#C+#鳥インフルエンザ-東アジア(123):インドネシア、疑
い#
[1]インドネシア:鳥インフルエンザ疑いの死亡患者。
情報源:Reuters AlertNet、9月11日。
ジャカルタ在住のインドネシア人女性が、鳥インフルエンザが疑われる疾患に
より死亡したと、保健相が9月11日に発表した。37歳のこの女性は、9月6日以
来肺炎とインフルエンザ様呼吸障害に罹患していたが、10日夜ジャカルタ南部
の入院先で死亡した。保健相は、「当局は診断検査のために、検体複数を採取
したが、そのうちの1件がH5N1型ウイルス陽性となった。」と述べ、更なる検
査が進行中であると加えた。
[2] インドネシア:鳥インフルエンザ疑い患者発生。
情報源:SBS TV, World News Australia、9月11日。
インドネシア当局によれば、インドネシア人女性が鳥インフルエンザのために
死亡し、同国で4例目の鳥インフルエンザ感染患者となった。問題の37歳女性
は、ジャカルタ市内の個人病院で死亡した。血液検体は、検査で鳥インフルエ
ンザウイルス陽性となった。
インドネシアでは今回の症例以外に、3名(父親と娘2名)が、2005年7月にジャ
カルタの南西にあるTangerang地区で(鳥インフルエンザ感染により)死亡して
いる。
[3]インドネシア当局は、鳥インフルエンザ疑い患者を調査。
情報源:Yahoo News、9月11日。
保健相は9月11日、37歳女性が鳥インフルエンザ感染症状を呈して死亡したこ
とを受けて、当局が疑い患者として調査を行っていると発表した。もし診断が
確定されれば、この患者はインドネシアで4例目の鳥インフルエンザによる死
亡患者となる。
●09-12(0913-0010)#Er#蚊族の発生、ハリケーン被災後 - 米国(02)#
投稿者:John Morrow。
ノースカロライナ州東部でも、1999年のハリケーンFloydの際の洪水時に、同
様の蚊族の大量発生が予想された。洪水後直ぐに大量の殺虫剤空中噴霧が実施
されたが、この対策がアルボウイルス感染症流行を防止したとは確信していな
い。
今回の洪水の早期中のコレラ、チフス、A型肝炎などに関する懸念と同様に、
こうした不安は事実無根である。こうした大規模な洪水の際には、あらゆる微
生物、昆虫およびヒトも容易にのみこまれ、確認できないことが多い。しかし
警戒を怠るべきではない。
[Moderator注:2005年7月20日付け Malaria Journalのオンライン版の論文の
紹介。インド洋津波の際、Nicobar および Andaman諸島の陸地に残った海水の
水溜りに現地のマラリア媒介蚊である_Anopheles sundaicus_のボウフラが発
生し、現地では例年の14倍のマラリア患者が発生している。]
●09-06(0913-0020)#C#亜硝酸ナトリウム中毒-キルギスタン(Alma-Ati)#
情報源:Obshestvenniy Reyting newspaper。
Alma-Atiのキルギス共和国総領事館によれば、2005年9月4日に、中毒症患者が
Alma-Ati地域のOtegen Batir村で報告された。9月4日の総領事館と司法当局者
による会議中に、住民ス名が入院し、その内1名が入院先で死亡したことが明
らかにされた。今回の事例は、Otegen Batir村の地域(rayon)病院で発生した。
現在、警察当局は、村人たちが食べた食品(Rolton noodles)と使用された食器
の調査を行っている。地域病院の主任医師は、中毒症は、カザフスタン人であ
る患者の1人が、食塩と間違えて亜硝酸ナトリウムを料理に加えたため発生し
たと指摘した。
[Moderator注:1997年にキルギス共和国の首都から程近い場所での患者54名が
発生した亜硝酸ナトリウム中毒事例。今回示唆されているのと同様に、食塩と
間違えて亜硝酸ナトリウムを料理に添加したことが原因であった。]
[Moderator注:ボツリヌス毒素を産生するボツリヌス菌_Clostridium
botulinum_の増殖を抑制するため食品に添加される亜硝酸塩。亜硝酸ナトリウ
ム中毒のメカニズムの解説。]
●09-11(0913-0030)#Ep# Wheat Stem Rust (小麦さび病)、新型株 -ウガンダ#
アフリカで、小麦さび病の新型株が発生。
情報源:FinFacts Business News、9月8日。
●09-09(0913-0040)#C#腸チフス最新状況、2005年(06)#
[1]南アフリカ(Mpumalanga)。
[2] 南アフリカ(Mpumalanga)。
[3]キルギスタン。
[4]ネパール。
[1]南アフリカ(Mpumalanga)、情報源:South African National Institute
for Communicable Diseases、9月9日。
腸チフスの流行が、Mpumalanga地域Delmasで報告されている。下痢症患者の増
加は、定期サーベイランスによって2005年8月15日から認められていた。これ
に対して、州感染症部は調査を開始した。予備的な水質検査で、飲料水の屎尿
汚染が判明した。こうした下痢症流行が2,3週持続した後、腸チフスの典型的
な症状を呈した患者が発生し始めた。これまでに、腸チフス患者少なくとも15
名が、血液培養で診断確定され、疑い患者34名が確認されている。
医療関係者は、Delmas住民、現地への旅行者および患者との接触者に患者が発
生する可能性に注意すべきである。これまでにGautengでは、患者多数が、
Delmasの学校に登校している学童・生徒やDelmasに旅行した人の中から発生し
ている。
[2]南アフリカ(Mpumalanga)、情報源:SABCNews.com、9月9日。
Delmasでの腸チフス確定患者数は116名に増加し、その他に700名が下痢を呈し
ている。腸チフスが流行しているMpumalanga地域Delmas町では現在、Rand
Waterネットワーク水道網に連結されようとしている。この決定は、州政府お
よび医療専門家からなる管理者会議によって9月9日に行われた。
患者は当初Delmas町郊外で発生していたが、その後待ち全域に拡大した。水道
水が人の便によって汚染されていたと考えられている。検査では、地下水の大
腸菌汚染が確認された。この地下水は現地の水源となっている。
住民は、水を使用する前に煮沸したりろ過するよう勧告されている。患者がさ
らに医療機関に入院しているため、新たな医師や看護師が配置され、軍もテン
トを供給し、屋外病院を設置するよう要請されている。
[3]キルギスタン、9月9日。
情報源:Obshestvenniy reyting newspaper、9月9日。
過去8ヵ月間にキルギスタンでは、腸チフス患者78名が報告された。地域別の
患者数は、Osh市で20名、Osh地域で24名、Jalajabadで15名、Matken地域で14
名、Issik Kul 地域で3名、Chuysk 地域と首都Bishkekhadで各1名ずつであっ
た。従来から、患者発生が最も多いのは、Nooken 地区(rayon)および
Mauluu-Suuである。
[4]ネパール、情報源:XinHuaNet.com、9月10日。
ネパールのDang地区にあるLami一次保健センターには、伝えられところでは、
毎日少なくとも15名の腸チフス患者が受診している。
●09-11(0913-0050)#C#東部ウマ脳炎、ヒト患者-米国(ニューハンプシャー
州)(02)#
ニューハンプシャー州で東部ウマ脳炎に患者が死亡。
情報源:Boston Globe online, Associated Press report、9月11日。
州保健当局は、Newton在住の20歳女性が9月9日に東部ウマ脳炎(EEE)により死
亡したと発表した。今回の患者は今年同州で5例目のEEE確定患者であるが、初
の死亡患者となった。保健当局は、患者は9月3日にEEEの症状を呈してボスト
ン市内の病院に搬送されたと明らかにした。州疫学者Dr. Jose Monteroによれ
ば、予備検査では結論が得られなかった。その後実施された検査により9月10
日、患者がEEEに罹患していたことが確認された。
保健委員会のJohn Stephen氏は、「患者がどこでEEEに感染したか特定するた
め、当局は、患者の過去数週間の足取りを調査している。」と述べた。
Montero氏は、Kingston-Newton-Plaistow地区での蚊族調査により、現地にEEE
ウイルスが土着していることが確認されたとしている。同州のこれまでの患者
4名は、Londonderry, Goffstown, Manchester, および Concord在住であった。
全員が地区病院で治療され、退院した。以下、州当局による住民への蚊の刺咬
予防勧告。
ピッツバーグのトップクラスのビジネスリーダー
●09-11(0913-0060)#C#食中毒-フィリッピン(North Cotabato):キャッサバ疑
い#
North Cotabatoで、シチューを食べた50人が発病。
情報源:Sun-Star。
当局は、フィリピン南部で宴会に出されたキャッサバでんぷんを用いたブタシ
チューを食べて、招待客数十名が激しい下痢と呼吸困難で入院したと発表した。
患者の大部分は9月9日に、North Cotabato州のMagpet町にあるAlimbayong村で
行われた学校の会議に出席した教師および保護者であった、と町長Efren
Pinol氏が明らかにした。
Pinol氏は、50名ほどが問題のシチューを食べて発病したと述べた。「患者の
うち少なくとも15名が重症となっているが、保健専門家は現在も食中毒の原因
を調査している。」と同氏は9月10日にコメントした。同氏は、シチューが傷
んでいたか毒物で汚染されていたがは判明していないが、保健調査官はシチュ
ーに使われていたキャッサバでんぷんも兆歳あいていると加えた。キャッサバ
は東南アジアや世界各地で広く使用されているが、皮むきや調理がが不十分な
場合は、毒性を示す。
以下、2005年前半にBohol地域Mabiniで発生した集団食中毒事例の概説。この
事例では、調査の結果、キャッサバに残留していた殺虫剤が中毒の原因と判明
した。
●09-12(0913-0070)#C-#鳥インフルエンザ、ヒト患者-東アジア(124):インド
ネシア、疑い#
インドネシア:確認されればインドネシアで4例目となる鳥インフルエンザ疑
い死亡患者の背景情報。
情報源:The Age, Australia 、9月12日。
(今回報道された)インドネシア人女性が、人口が密集したジャカルタで初の鳥
インフルエンザ死亡患者となるのはほぼ確実であるが、当局はWHOによる汎流
行の警告を否認し、ニワトリの大量処分命令を破棄している。鳥インフルエン
ザと診断されて4日が経過した37歳の死亡患者は、ジャカルタの西方にある
Tangerang州での死亡患者3名に次いで発生した。
Siti Fadila Supari保健大臣は9月11日に、ヒト・ヒト感染の機会は全くなかっ
たと発表したが、患者の感染経路は不明であると加えた。患者は、入国者代理
人で、多くの国外居住者に対応していた。これまでの聞き取り調査では、患者
が接触した人々は健康状態に異常は認められていない。他の大部分の鳥インフ
ルエンザ感染患者とは異なり、今回の患者は動物とはほとんど接触がなかった
が、伝えられるところでは、ニワトリ屠殺場近くに居住していた。
以下、インドネシアで鳥インフルエンザ対策に当たっているWHO上級担当官
Steven Bjorge氏の発言、WHOのニワトリ処分勧告の実施の明言を避ける保健大
臣のコメント、これまでの東南アジアでの鳥インフルエンザ感染患者数。
●09-08(0913-0080)#Ea#ブルータング、家畜反芻類-スペイン(アンダルシア地
方)(05)#
情報源:スペイン農業水産食糧省(MAPA)。
ウェブサイト上に公表された最新の流行状況では、2005年これまでに流行42件
が記録されている。この統計には、2005年1月に記録された別の流行6件は含ま
れていない。それらの事例は2004年夏~秋の流行の最終事例と考えられる。
流行26件がアンダルシア地方(Huelva 13, Sevilla 13)で報告され、その他16
件がExtremadura地方 (Badajoz 10 and Caceres 6)で確認された。
以下、感染の北限地、感染地および規制域地図の情報、2005年に(感染を媒介
する)ヌカカ(_Culicoides imicola_)の生息が確認された地区を表示した地図
の情報など。
●09-12(0913-0090)#Ea#口蹄疫、ウシ-インド(Manipur):疑い#
情報源:Kangla Online。
Tamenglong本部からの獣医師チームが最近Tameiに急行し、現地で多数のウシ
を治療した。問題のウシは、Tamei中心地から約10km南西にあるLangmei村から
拡大した口蹄疫に罹患している。この感染症のために、2005年8月には相当数
のウシが死亡した。死亡した個体の舌や蹄は水疱(sores)で覆われた。この有
痛性の病変のため、発病した個体は摂食や歩行が困難となり、死に至る。
[Moderator注:残念ながら、口蹄疫に罹患した動物に対する有効な治療は存在
しない。]
East Kasai : Bena Kalambayiでの睡眠病の再興。
情報源:All Africa.com, 8/27。
Bena Kalambayi は East Kasai州のNgandajika地方にあり、Mbuji-Mayiから
100km離れた場所に位置する。最近の統計で、この地域の住民の13%が睡眠病に
罹患していることが示された。すでに一部の患者は死亡している。
MONUC (Mission des Nations Unies en Republique Democratique du
Congo, or United Nations Mission in the Democratic Republic of Congo)
と他の人道支援組織は共同対策を実施するためのミーティングを数日以内に開
催する。
約1650人(13%)が感染している。National Program for the Fight
Against Trypanosomiasis によると、ここ2週間(8月第3,4週)で患者数は著
しく増加した。この状況に州当局は憂慮している。
州保健監査当局は移動施設をこの地域に派遣した。任務は、現地の治療セン
ターでの睡眠病治療の支援と、移動施設の増援である。州の監査官は、登録患
者数に対して警報を出しつづけている。それにもかかわらず、状況は良くない。
East Kasaiの保健当局は、住民に、最初の症状が現れた時点で移動施設に来
るように呼びかけている。
病院によると、16人が入院し、24人が在宅看護を受けている。これは入院施
設の不足のためである。現地当局によると、治療キットが医療機関に送られて
いる。
以下睡眠病について。
●09-10(0912-0030)#C#ウイルス性髄膜炎 - フランス(02)
フランス南東部のMarseilleでの成人のウイルス性髄膜炎、エンテロウイルス
とToscanaウイルスについて。
投稿者:Fabrice Simon。
所属:Service des maladies infectieuses et tropicales Hospital
d'instruction des armes Laveran.
フランス南部、特にMarseilleで発生した成人のウイルス性髄膜炎に関連し
て情報を提供したい。非常に多くの村で、我々が治療しなければならないほと
んどの患者は、エンテロウイルス感染によるものである。(髄液でエンテロウ
イルスのPCR陽性)
しかし、2005年8月に発生した重症リンパ球性髄膜炎患者の一部は、Toscana
virus 感染であった。全ての患者はMarseille地方に在住で、特に山麓の住民
であった。
現時点で、この地域でこのアルボウイルス感染が新興していることを説明す
る昆虫学的なデータの発表はない。夏季にフランス南東部に滞在あるいは旅行
し、頭痛の痛みが強く、頭痛薬が無効で、あるいは、髄液のリンパ球数の上昇
(>100)した場合は、リンパ球性髄膜炎あるいは脳炎の場合には、鑑別診断に加
える必要がある。
Asia
[1] Cholera - India (Bharuch)
[2] Diarrhea - インドネシア(East Nusa Tenggara)
Africa
[3] Cholera - Niger (Tahoua)
[4] Bloody diarrhea, military convoy - Congo DR (Ituri)
[5] Cholera - Worldwide - WHO WER Notifications
[1] Cholera - India (Bharuch)
Source: Ahmedabad Newsline [edited]、9/4
Bharuch地方の Ankleshwar町を含む2 地区(地区=talukasはdistrictの下の
行政区で、インド北部ではtahsil/tehsilと呼ばれている)で、先週6人のコレ
ラ患者が確認され、250人の胃腸炎疑い患者が報告されたため、コレラ流行宣
言がなされた。
Bharuch地方当局によると、最初にコレラと確認された3名は、Amod町と
taluka村から報告された。この後、Bharuch 地区のNikora村で1人が確認され
た。もう一命がAnkleshwar村で報告された。
[2] Diarrhea - インドネシア (East Nusa Tenggara)
Source: Jakarta Post [edited] 9/5。
最近発生したインドネシアのEast Nusa Tenggara(NTT)州での小児の重症下
痢症の発生により、21名が死亡した。このうちほとんどが小児で先月死亡した。
最も流行が激烈であったTimor Tengah Selatan regencyでは、16名の小児が下
痢により死亡した - 原因は未だ不明である。
さらに851人が病院や医療機関で類似症状で治療を受けている。Kupang
regencyでは、5人が合併症により死亡した。
現在28人の小児が同様の症状で治療中であると、Timor Tengah Selatan
regency's Health Officeの局長が8月31日に述べた。
[3] Cholera - Niger (Tahoua)
Source: Alertnet.org [edited] 9/7
飢饉に苦しむアフリカ中央部の州でのナイジェリア北東部のTahoua region
での降雨の後にコレラが流行し、少なくとも22人が死亡したと9月7日に発表し
た。首都のNiameyから650km北東に離れたTahouaで7月13日から9月5日の間に、
251人の感染患者が同定された。
[4] Bloody diarrhea, military convoy - Congo DR (Ituri)
情報源: MONOC.org [edited] 9/1
コンゴ民主共和国(DRC)の北東部で、先週のコレラ流行に続き、重症血性下
痢症の流行が今週発生した。
8月30日現在、Ituri州都のBuniaに駐留する政府軍の第4旅団の132人の下痢
患者が報告された。
[5] Cholera - Worldwide - WHO WER Notifications
Source: WHO Epidemiological Record, 9 Sep 2005 [edited]
Notifications of cholera received from 2 to 9 Sep 2005
------------------------------------------------------
country / dates / cases / deaths
Africa
Guinea / 17 Jul -26 Aug 2005/ 681 / 20
Guinea-Bissau / 16 Aug-2 Sep 2005 / 4 820 / 87
Liberia / 4 July-14 Aug 2005 / 938 / 6
Senegal / 8-28 Aug 2005/ 1 470 / 26
Asia
India / 12 Jun-27 Aug 2005 / 599 / 2
Iran / 8-24 Aug 2005/ 801 / 8
●09-09(0910-0080)#C#胃腸炎、死亡 - 南アフリカ(Limpopo): 情報提供依頼
情報源: Health24.com [edited]
「奇病」の流行で、2名の小学生が死亡し、100人近くが病院で治療を受けて
いる。
この子供らは、 Limpopo provinceの州都のPolokwaneの近くのChebeng
villageのMahlodumela小学校の生徒であった。
原因は未だに不明である。生徒は悪心、下痢と極度疲労を呈した。9才と10
才の児童が死亡した。
他に63人の児童がPolokwane近くのSeshego Hospitalで治療を行った。ほと
んどが退院した。
当初、髄膜炎と考えられ検査が行われたが、陰性であった。他の検査が実行
中であり、結果を待っている。
●09-09(0911-0010)#Ep#HUANGLONGBING, 柑橘類 - 米国 (フロリダ)
情報源: Seattlepi.com, 3 Sep 2005 [edited]
フロリダの柑橘類産業の9,000,000,000US$の被害をもたらす植物の疾患がは
じめて合衆国で発見されたと農業省当局者が発表した。この細菌性疾患は
citrus greening Huanglongbing
(HLB)として知られており、citrus greeningとも呼ばれる。
この病原体が、南フロリダの2本の樹木から得られた検体から検出された。
●09-10(0911-0020)#C#ウエストナイルウイルス更新2005 - 西半球(12)
[1] Canada
Source: West Nile Virus Monitor, Public Health Agency of Canada, 27
Aug
2005 [edited] 9/10
>pdf>
2005年8月27日第34週時点のカナダサーベイランスデータ。
ウエストナイルウイルス国家サーベイランス報告。
21 Aug 2005 - 27 Aug 2005 (Week 34)。
ヒト:
第34週には19人のウエストナイルウイルス感染患者がカナダから報告された。
[Quebec (1), Ontario (1), Manitoba (14), and Alberta (3)].
8月27日時点で、合計で72人のヒトWNV患者がPublic Health Agency of Canada
(PHAC)に報告された。このうち64人が臨床例で、8人が非症候性であった。臨
床例64人中、19人(30%)はウエストナイル神経症候群を、36人(56%)はウエスト
ナイル非神経症候群、9人(14%)は非特異的であった。5名は旅行関連であった。
現時点で3人が死亡した。 [Manitoba (1), Ontario (2)]
トリ:
34週には、216羽のトリが検査され、74はねがWNV陽性であった。新たに4保健
区で死亡したトリからWNVウイルスが陽性であった。[1 in Alberta (Chinook),
2 in Saskatchewan (Sun
Country & Saskatoon), and 1 in Ontario (Sudbury)].
2005年5月2日以来、累計で3407羽の死亡したトリが検査され、327羽(9.6%)が
WNV陽性であった。327羽中248羽(76%)がアメリカカラスで、78羽(24%)がアオ
カケスであった。
家畜:
34週には、7頭のウマからWNV陽性が報告された:Manitoba (3) 、
Saskatchewan (4)。
蚊群:
34週には、510のWNV陽性蚊群が報告された:Alberta (1), Saskatchewan (87),
Manitoba (188), Ontario (188) and Quebec (46)。
[2] USA
情報源: USA's CDC, Division of Vector-borne Infectious Diseases, West
Nile
Virus, 6 Sep 2005 [edited]
2005 West Nile Virus Activity in the United States
(Reported to CDC as of 6 Sep 2005)*
-----------------------------------------------------
9月6日現在、以下の州からトリとヒトと蚊の感染がCDC ArboNETに報告された:
Alabama, Arizona, Arkansas, California, Colorado, Connecticut, Florida,
Georgia, Idaho, Illinois, Indiana, Iowa, Kansas, Kentucky, Louisiana,
Maine, Maryland, Massachusetts, Michigan, Minnesota, Mississippi,
Missouri, Montana, Nebraska, Nevada, New Hampshire, New Jersey, New
Mexico, New York, North Carolina, North Dakota, Ohio, Oklahoma, Oregon,
Pennsylvania, South Carolina, South Dakota, Tennessee, Texas, Utah,
Vermont, Virginia, Wisconsin, and Wyoming。
ヒトの患者は以下の州から報告された:Alabama, Arizona, Arkansas,
California, Colorado, Florida, Georgia, Idaho, Illinois, Indiana, Iowa,
Kansas, Louisiana, Maryland, Michigan, Minnesota, Mississippi,
Missouri, Montana, Nebraska, Nevada, New Mexico, North Carolina, North
Dakota, Ohio, Oklahoma, Pennsylvania, South Carolina, South Dakota,
Texas, Utah, and Wisconsin
State / Neuroinvasion* / West Nile fever** / Other*** / Total**** /
Deaths
-----------------------------------------------
Alabama / 2 / 1 / 0 / 3 / 0
Arizona / 14 / 10 / 5 / 29 / 0
Arkansas / 0 / 5 / 0 / 5 / 0
California / 93 / 155 / 20 / 268 / 7
Colorado / 4 / 26 / 0 / 30 / 0
Florida / 4 / 7 / 1 / 12 / 0
Georgia / 0 / 1 / 1 / 2 / 0
Idaho / 0 / 1 / 0 / 1 / 0
Illinois / 52 / 130 / 7 / 89 / 1
Indiana / 1 / 0 / 0 / 1 / 0
Iowa / 1 / 1 / 0 / 2 / 0
Kansas / 1 / 2 / 0 / 3 / 0
Louisiana / 40 / 12 / 0 / 52 / 4
Maryland / 1 / 0 / 0 / 1 / 0
Michigan / 2 / 1 / 1 / 4 / 0
Minnesota / 7 / 13 / 0 / 20 / 1
Mississippi / 5 / 5 / 0 / 10 / 1
Missouri / 1 / 3 / 2 / 6 / 1
Montana / 1 / 1 / 0 / 2 / 0
Nebraska / 14 / 23 / 0 / 37 / 0
Nevada / 4 / 7 / 0 / 11 / 0
New Mexico / 9 / 4 / 0 / 13 / 0
North Carolina / 1 / 1 / 0 / 2 / 0
North Dakota / 2 / 14 / 0 / 16 / 0
Ohio / 10 / 2 / 0 / 12 / 0
Oklahoma / 1 / 0 / 0 / 1 / 0
Pennsylvania / 5 / 5 / 0 / 10 / 0
South Carolina / 1 / 0 / 0 / 1 / 1
South Dakota / 25 / 112 / 1 / 138 / 1
Texas / 24 / 3 / 0 / 27 / 1
Utah / 7 / 4 / 0 / 11 / 0
Wisconsin / 1 / 1 / 0 / 2 / 0
Totals / 333 / 450 / 38 / 821 /18
●09-10(0911-0030)#C#麻疹 - コモロ諸島
情報源:Todayonline.com, Agence France Presse report 9/10
コモロ保健当局は、ここ2ヶ月間に貧しいインド海群島で1000人以上が発病
した麻疹の封じ込め対策に取り組んでいる。しかし医療資源の不足、老朽化し
た検査施設、医療スタッフの不足、医療スタッフの裏金要求の問題と相まって、
流行対策に支援が必要である。
●09-10(0911-0040)#Ea#炭疽、ウシ - カザフスタン(西部) (04)
情報源:OIE
カザフスタンの炭疽
過去のカザフスタンの炭疽流行日:2004年6月
この報告は、9月2日の報告の翻訳である。
迅速報告の理由:シテイ疾患の再発生あるいは終息宣言後の国内あるいは地域
での感染。
Date of first confirmation of the event: 28 Aug 2005.
Date of start of the event: 23 Aug 2005.
Nature of diagnosis: clinical and laboratory.
Details of outbreak:
First administrative division (region): West Kazakhstan
Lower administrative division (district): Zhanibek
Type of epidemiological unit: farm
Name of the location: Talov
Species: bov
Number of animals in the outbreak
susceptible / cases / deaths / destroyed / slaughtered
144 / ... / 9 / 0 / 0
●09-10(0911-0050)#C#ウエストナイルウイルス - ロシア(ASTRAKHAN)
情報源:Regnum News Agency, Sat 10 Sep 2005 [trans. Corresp.NP; edited]
ウエストナイル熱の発生がAstrakhan地区で報告された。9月9日現在60人の
患者がこの地区から報告され、3分の2以上(41例)がこの地区の中心部で発生し
た。死亡患者は発生していない。保健当局者は、今年の状況は、突然の流行の
開始が見られ、9月中旬までにAstrakhan地区で5人が死亡し隣接するVolgograd
地区で53人が死亡した1999年の状況に類似していると述べた。
●09-10(0912-0010)#C#ブタ連鎖球菌、ブタ、ヒト - 中国(19): OIE
情報源: OIE 9月9日
中国でのブタ連鎖球菌
9月5日に報告された8月30日時点の情報。
1. 一般状況
四川省で合計で647頭のブタがブタ連鎖球菌により死亡した。この死亡は
Chengdu, Deyang,
Luzhou, Mianyang, Nanchong, Neijiang, Zigong, Ziyangの8地方(region)の
21 county 88 municipality の149村で発生した。
流行は2005年6月末に発生し、ピークは7月20日頃であり、急激に減少した。
新規症例は8月6日以後発生していない。
起因菌は、__Streptococcus suis_ type 2 であった。四川省で分離された
菌株のLD50は、新しい動物モデルを用いてzebra fishを用いて算出された。ま
た最近の発病遺伝子が検査された。
この検査の結果、分離された菌の病原性は、過去に分離された菌と大きな差
はなく、また遺伝私的な変化は見られなかった。
情報源:Boston Globe Online、AP通信社、9月6日。
マサチューセッツ州で東部ウマ脳炎ウイルス感染により2名が死亡。
蚊媒介東部ウマ脳炎(EEE)と診断されたHalifaxからの5歳女児とKingstonから
の83歳男性が死亡したため、今年(2005年)のマサチューセッツ州におけるヒト
EEE患者数は3名となった。
公衆衛生当局によると、この女児は2005年8月26日に発病し、9月4日に死亡し
た。検査により後日東部ウマ脳炎と診断されたが、最終検査の結果は未定とさ
れている。男性は2005年8月21日に発病し5日後に死亡した。死後1週間後に診
断が確定された。
この2例がいつどのようにしてEEEウイルスに暴露したかは明らかでないと、公
衆衛生局伝染病対策責任者のDr Al DeMaria氏が語った。
先週(8月最終の週)保健当局は、63歳Duxburyの女性をこの夏、州におけるEEE
ウイルスの最初のヒト感染例として公表した。この危険なウイルスは最近ニュ
ーハンプシャー州の住人4名に見つかっているが、死亡例は無い。Duxburyの女
性は診断および報告された最初の症例であるが、彼女は2005年8月26日に発病
したばかりだが、Kingstonからの男性の症状は既に進行していた。彼女はまだ
入院しており、重症である。
昨年(2004年)はマサチューセッツ州で4名のEEE患者が確認されており、うち2
名は死亡している。
公衆衛生当局は住民に対し、最初の降霜までは蚊の刺咬を避け、病気に対する
自衛手段をとるよう勧告した。先週(8月最終週)の時点で、州当局は12万匹の
蚊に対してEEEウイルスを検査し、陽性は15匹のみであった。
以下、マサチューセッツ州で2匹のウマにEEEが確認されたこと、複数の州で
EEEウイルスとウェストナイルウイルスが蚊で検出されたこと、この疾患は周
期的に表れる傾向があり、前回の流行は1990年であったことなど。
米国厚生省疾病管理・予防センター(CDC)によれば、この疾患のヒトにおける
死亡率は約35%で、米国での重篤な蚊媒介性疾患のひとつに数えられる。生存
例の約35%は中等度から重篤な神経学的症状を呈する。CDCによると、1964年
以来米国では約200例が確認されたに過ぎない。症例数はマサチューセッツ州
が最多で、他にフロリダ州、ジョージア州、ニュージャージー州などで見られ
た。ヒトに対して認可されたワクチンは無い。
[Moderator注:EEEは北米大西洋沿岸及びペルシャ湾沿岸沿いの風土病である。
北部地域では晩夏から最初の降霜期にかけて、南部では通年ヒト患者が発生す
る。北米では、蚊_Culiseta melanura_の生息する淡水沼でウイルスが存続し
ている。この蚊は主に鳥を刺し(稀には小哺乳類や爬虫類)、春から夏にかけて
ウイルスが増殖するための宿主となる。隣接する塩水沼では、他の種類の鳥や
ヤブカ属_Aedes_ spp.の蚊を巻き込んだ二次的流行サイクルが起こる。これら
の蚊はウマへ、時にはヒトへも、ウイルスを媒介するが、どちらもウイルスの
最終宿主である。常在地ではウマの感染はワクチンにより予防されるが、ヒト
に対して認可されたワクチンは無い。常在地においてウイルスがどのように越
年するか、また、ウマやヒトがEEEウイルスに暴露する頻度を決定する因子な
どは解明されていない。]
●09-07(0909-0010)#C#ビブリオ・バルニフィカス(Vibrio vulnificus)、ハリ
ケーン被災地--米国(03)#
[1] 情報源:CDC Health Advisory。
現在までにハリケーンカトリーナの被災地では、ビブリオ・バルニフィカス細
菌による感染患者が7名報告され、4名が死亡した。最初の患者はミシシッピー
保健局から報告されたものである。
ビブリオ・バルニフィカスは、開放創が暖かい海水に曝されたときに皮膚感染
を引き起こす。ビブリオ・バルニフィカス感染の危険が最も高いのは、免疫系
が弱まっている人や老人である。ビブリオ・バルニフィカスはコレラの原因菌
と同じ科であるため、メディアの報道に混乱を招いている。
CDCとその他の応答機関は、調査の一環として、現地保健当局と共にビブリオ・
バルニフィカス感染に対する危険性の高い人を確認する作業に従事しており、
適切な治療を受けるよう呼びかけている。
ビブリオ・バルニフィカスとは?
ビブリオ・バルニフィカス_V. vulnificus_は、米国で病原菌としては稀な細菌
である。コレラ菌_Vibrio cholerae_によって引き起こされるコレラとは病態
が異なる。ビブリオ・バルニフィカスは直接のヒト-ヒト感染により広まるこ
とは無く、主に肝疾患や免疫能低下などの基礎疾患を持つ人には深刻な脅威と
なる。この細菌は温暖な沿岸海域に自然に存在する。ビブリオ・バルニフィカ
スで汚染された沿岸海水に傷が曝されると感染が起こる。感染はこれらの水か
ら獲れた魚介類の生食あるいは調理不十分のまま摂取することによっても起こ
る。
CDCには毎年400件を超えるビブリオによる疾患が報告される。これらのうち約
90件がビブリオ・バルニフィカスによるものである。ビブリオ・バルニフィカス
による疾患のほとんどが温暖な季節に起こる。
以下、ビブリオ・バルニフィカス感染症の症状、感染経路、診断、治療につい
ては原文参照。
[2] Newsday, ニューヨーク。
ニューオーリンズ市内に停滞している洪水の水には、皮膚接触安全値の10倍の
糞便細菌が含まれ、汚染水が原因となった稀な感染で3名が死亡したことを、
連邦当局が9月7日発表した。
水質汚染はその極に達しており、残留住民に対して非難・退去するようCDCの
Dr Julie Gerberding長官が勧告した。
水は住民にも市から退去しようとしている人々にも危険であると当局は警告し
ている。「可能な限り水には触れないように」と、環境保護局のStephen L
Johnson行政官が話している。救助者は適切な保護具を装着するよう勧告され
た。科学者がいまだ工業用地内および周囲の停滞水を検査していないことを同
氏は明らかにした。
CDCのVon Roebuck広報官は昨日、洪水に浸かったために傷口が汚染され、ビブ
リオ・バルニフィカス感染症が発生した疑いがあるという専門家の意見を公表
した。症例はニューオーリンズ市からテキサス州への避難民1名とミシシッピ
ー州への4名である。
Gerberding氏は当局が感染患者を調査していることを明らかにし、「コレラと
は明らかに異なる」ことを強調した。
以下、流行の様相は呈していないこと、混雑する避難所で胃腸炎が発生してい
ること、衛生管理が重要であることなどについての同氏のコメント。
多くの近隣都市から採取した水サンプルに、通常レベルを超える鉛が検出され、
飲用された場合、特に小児では、危険が及ぶ可能性がある。鉛中毒は精神遅滞
や学習障害に関係する。
[Moderator注:現地の水が大腸菌により汚染されている事実を挙げ、あたかも
この疾患と関係しているように書かれた報告がある。重要なのはビブリオ・バ
ルニフィカスが大腸菌に汚染されていない海水に常在している菌であること。
この感染症と大腸菌汚染水との接触とは切り離して考えるべきである。]
●09-08(0909-0020)#C#デング熱/デング出血熱最新情報、2005年(29)#
目次
[1] シンガポール
[2] コスタリカ(サンホセ)
[3] インド(ニューデリー)
[4] [5] インド(カルカッタ)
[6] ベリーズ(Cayo)
[1] シンガポール。情報源:AlertNet、9月8日。
当局が9月8日発表したところによると、シンガポールの病院は、デング熱患者
殺到の対応に苦慮し、緊急性の無い手術を延期している。2005年の現時点でシ
ンガポールには8854例のデング熱患者が発生しており、これは島での患者数が
10年間で最高に達した2004年同時期に比べて2倍に近い数である。2005年にな
って8例が死亡している(致死率は904/100,000)。
各病院では緊急性の無い手術の延期でデング熱患者用のベッド確保をしており、
デング熱の入院患者数が最も多いTan Tock Seng病院では毎日90~110名の入院
を受け入れ、デング熱患者の全入院患者数に占める割合は10%に達する。
以下省略。
[2] コスタリカ(サンホセ)。情報源:Reuters AlertNet、英国、9月7日。
2005年の現時点でコスタリカにおけるデング熱患者は19,000人を超え、流行域
に達したが、現在のところ死者は1名にすぎないと、保健当局が9月7日発表し
た。保健省デング熱対策計画の責任者Teresita Solano氏によれば、中央アメ
リカの小国民は2年前から患者数19,703名の記録を破り続けている。
コスタリカの首都の東部にあるHerediaの町では、ある病院の医師が病院の礼
拝堂にデング熱患者収容のための追加ベッドを用意した、と保健副大臣が語っ
た。
当局は太平洋沿岸の町Puntarenasでデング出血熱のため1例が死亡したことを
明らかにした。デング出血熱による死亡は、以前感染した人が2度目にデング
熱ウイルスに感染すると起こる。2005年の現時点までにコスタリカでは30名の
デング出血熱患者が報告されたとSolano氏は話している。
コスタリカでは、1993年に近隣諸国から感染した蚊が入ってくるまでは、デン
グ熱は知られていなかった。当局は、気候の変化や森林伐採などの環境の変化
が、デング熱の拡散に寄与していると推測している。
[3] インド(ニューデリー)。情報源:NewKerela.com、9月6日。
ニューデリーでこの24時間に新たに6例のデング熱患者が報告され、総患者数
が70名になったと、保健当局が9月6日発表した。
総患者数のうち51名はデリー、残りの19名はその近隣州の患者である。これま
でに3名が死亡し、それぞれデリー、Uttar Pradesh州、Andhra Pradesh州の患
者である。
デリー地方公共団体(MCD)の声明によれば、事態は沈静化され、感染拡大の制
御に向けて手段が講じられている。「通常の保健従事者2500名を支援するため
に1055名の臨時労働者を雇って、蚊の生育場所を捜査している。」とMCDの広
報官が語った。
当局は、彼らが住民に自覚を広めるため、常に市民福祉教会(RWA)と連絡を取
り合っていることを明らかにした。ポスターやパンフレットは首都のあらゆる
地域に配布された。
デリーの西部や南部は蚊の生息密度の高い地域である。蚊の撲滅を目指して、
保険従事者はデリー西部で34,700軒、デリー南部で31,215軒の家を調査した。
[4] インド(カルカッタ)。情報源:Newindpress、9月6日。
West Bengal州では2005年の現時点で1000名がデング熱に罹患し、15名が死亡
したと、州政府が公表した。
「我々はWest Bengal州全域から15例の死亡の報告を受けており、流行と呼べ
る状態である」と、9月6日州保健局長が発表した。
West Bengal州保健担当大臣のSurya Kanta Mishra氏は、今年の症例数が正常
域を超えたため、9月5日デング熱についての公式声明を発表した。同氏はデン
グ熱以外にも、マラリア、腸チフス、ウイルス性熱性脳炎などが、特にカルカ
ッタで発生していると語った。「検査に送られた血液検体の約40%がデング熱
に対し陽性であった」とも同氏は話した。
これらの疾患は症状が似ているため、臨床的に診断するのは難しい。「我々は
事態を重視しており、対応には充分な注意を払う必要がある。我々は警戒態勢
を敷いている。」と大臣は話した。
事態はカルカッタが最悪で、その周辺のSalt Lakeの町区では540名の公式デン
グ熱患者が検出されている。
以下、Bengal地方のその他の地区でもデング熱が多数発生していること、検査
キットが不足していることなど。
[5] インド(カルカッタ)。情報源:Cities.expressindia、9月6日。
州内のデング熱拡大が流行の域に達したことをBuddhadeb Bhattacharjee大臣
が表明した翌日、熱帯医学校(School of Tropical Medicine (STM))-デング
熱ウイルス検出の検査を行っているセンターのひとつ-の医師が、ウイルスは
致死的なものではないとするパンフレットを配布した。「うわさを広げるな。
デング熱でパニックになる必要はない。」とパンフレットには書いてある。通
常のデング熱ウイルスで死亡する可能性は無いとも記されている。STMの校長
はコメントしなかった。
一方、保健事務局長からCMに毎日提出される報告書によれば、これまで925例
のデング熱患者がその州で報告されている。このうち581例がカルカッタから
報告された。この疾患での死亡は現在15例である。カルカッタ地方公共団体
(KMC)の記録では、カルカッタ市区域だけで600名の患者がおり、7名の死亡が
報告されている。
以下、デング熱の検査は、IgMが体内で形成されるのを待つため、4日ほどかか
ること、抗生物質による抗体形成を避けるためには抗生物質を服用しないこと
が重要であることなど。
[6] ベリーズ(Cayo)。情報源:Channel5Belize.com、9月7日。
Cayo地区でデング出血熱の疑い例が発生したことを保健当局が発表した。軽症
と記載された症例の診断は、メキシコの研究所に血液検体を送ることによって
つけられた。患者は発症の2週間前に常在国へ旅行していると新聞が伝えた。
当局は国民に向かって、庭を清潔にし、デング熱を媒介する蚊が育たないよう
に排水をよくするよう勧告した。
[Moderator注:ベリーズの紹介。参照。]>
●09-08(0909-0030)#Ea#トリインフルエンザ - アジア(14): ロシア(シベリア、
ウラル), H5N1
情報源: Ria Novosti, 7 Sep 2005。
鳥インフルエンザが9月7日にロシアの47集落で確認されたと農業省が報告し
た。
保健省記者発表での連邦動物植物省の引用データによると、他に80集落が鳥
インフルエンザに
汚染されていると疑われている。一方過去に検疫が開始されたOmsk地区の4湖
畔と4都市で検疫が解除された。汚染状況の悪いAltai地区[kray]、Tyumen,
Kurgan, Chelyabinsk, Novosibirsk地区 [oblasts] ではここ2日間で状況は変
化していない。
Krugan地区の6集落で1週間以内に検疫を解除する予定である。
[ロシアの地域、地区に関するモデレータの解説あり。]
●09-07(0909-0040)#Ep#フィトフトラ王冠腐敗病, 桃 - チリ
情報源:American Phytopathological Society, Plant Disease Notes
[edited]
チリで、初の、桃の木の_Phytophthora cryptogea_ root and crown rot 病の
報告。
●09-08(0909-0050)#C#ラクロス脳炎 - 米国(ウイスコンシン)
情報源:La Crosse Tribune online, Thu 8 Sep 2005 [edited]
ラクロス郡当局が9月7日に、先週初のラクロス脳炎患者3人が発生したと報
告した。
ウイスコンシン州のCashton郡の2才の男児は感染し5日間入院した。
ウイスコンシン州のWestby郡の8才の女児は、1日入院した。
ウイスコンシン州Boscobel郡の57才の男性は、ラクロス脳炎の診断で入院した。
ラクロス郡保健当局の媒介蚊制御局によると、全4人の初期検査の結果ラク
ロス菌株が検出された。この病原体を媒介する蚊は、患者の家の近隣やよく行
く場所の近くにあるコンテナやタイヤで発見された。
ラクロス脳炎の流行のピークは8月から9月であり、また過去2週間の蚊の活
動性は非常に高かった。従って、公衆衛生的視点に基づき、注意をすることが
重要である。
媒介かは通常、霜が2回おりるまで生存する。毎年ラクロスエリアでは約6名
のラクロス脳炎患者が報告されている。ラクロス脳炎はウイルス性の疾患であ
り、通常は6から5才の小児が感染しやすく、脳炎を起こす。症状は発熱、頭痛、
項部硬直で、半数に痙攣が見られる。
[モデレータ注:ラクロス脳炎は、1963年に最初に患者が発見されたウイスコ
ンシン州のラクロス郡から名前を付けられた。米国ではラクロスウイルスは小
児のアルボウイルス脳炎の主要病原体である。CDCによると、毎年70名の患者
が報告されている。ラクロスウイルスは蚊により媒介されるウイルスで、
_Bunyaviridae_族に属する。現在は、_California encephalitis virus_種に
分類されている。
ラクロスウイルスの宿主は小型ほ乳類で、主要媒介蚊は_Aedes
triseriatus_である。
主要宿主はシマリスやリスである。以下略]
●09-08(0909-0060)#Ea#炭疽、ウシ - 米国(ミネソタ)(02)
ミネソタでの流行は終息したようである。
5牧場での流行の詳細は以下のとおり:
[1] 22 Jul: Crookston, Southwest Polk County, lost 10 beef cows in a
50 cow beef herd.
[2] 28 Jul: Wannaska, Southeast Roseau County, lost 4 beef cows and 1
bull.
[3] 8 Aug: Wannaska, Southeast Roseau County (8 miles NW of [2]), lost
1 bull.
[4] 11 Aug: Crookston, Southwest Polk County (9 miles south of [1]),
lost 7 cows.
[5] 15 Aug: Goodridge, Southern Marshal County (30 miles SW of [1]),
lost 1 cow.
●09-08(0909-0070)#Ep#大豆さび病, アジア株 - 米国(多州) (07)
情報源: StopSoybeanRust.com, 2 Sep 2005 [edited]
南カリフォルニアのBarnwell郡で、2番目のアジア大豆さび病が発見された。
●09-08(0909-0080)#C#日本脳炎 - ネパール(02): 確認
情報源:ロイター AlertNet, 8 Sep 2005 [edited]
日本脳炎の患者数増加はネパールの医療従事者は不安に思っており、この疾
患の予防対策を強化する必要があると述べた。
日本脳炎は主に貧困層で発生しており、多数の小児と高齢者の患者が発生し
ている。保健当局によると、過去2ヶ月だけで少なくとも200人が死亡した。保
健省スポークスマンによると、同期間に800人以上が感染した。
毎年の流行では、稲作の水田周辺で、雨季に発生しモンスーンの間発生する。
WHOによると日本脳炎は世界で毎年5万人発生し、殆どはアジアで発生している。
IndiaとNepalが流行の中心である。日本脳炎は、治療法が無く致死的である。
Nepalganjは、首都から西に500kmに位置する国境の町であり、現在最もひど
い流行が起きている1つである。ここ3週間以内に60人近くが日本脳炎で死亡
した。45人がNepalganjのBheri公営病院で死亡した。これ以外に少なくとも15
人が他の市内の医療機関で死亡した。
以下、住民のこの疾患に対する知識は乏しく、予防対策を強力に進める必要
があるが、政府は優先的な対策を行っていないとのコメント。
●09-07(0910-0010)#C#日本脳炎 - インド(Uttar Pradesh) (06)
[1] BBC Newsonline 9/6
インドの日本脳炎の流行により、約900人が死亡したと公式に発表された。
辺地での多数の死亡患者が報告されないため、今年の死亡患者数は例年より著
しく多くなると考えられると当局者は考えている。日本脳炎はUttar Pradesh
の27地方以上に拡大し、州とのLucknowや隣接するBihar州やネパールに拡大し
ている。
[2] 情報源:ロイター 9/7
インド当局は、600人以上が死亡した北部のUttar Pradesh州での日本脳炎対策
に苦闘している。日本脳炎の流行は7月末にUttar Pradesh西部で発生した。し
かし、州都Lucknowに拡大した。
患者管理は次第に困難になってきている。新規患者数も死亡者数も減少の兆
しを見せない。月曜以来31人が死亡した。殆どが小児であった。症状は高熱、
激しい頭痛、痙攣などである。
貧困対策で豚を飼育したことが、宿主動物が増える問題を起こした。
●09-09(0910-0020)#Ea#鳥インフルエンザ - アジア(25) : 渡り鳥
[1]National Public Radio による、Dr. Juan LubrothとDr. Kenji Fukudaの
インタビュー記事。
[2]情報源: USA Poultry & Egg Export Council , 8 Sep 2005 [edited]
9月8日午後9時現在、鳥インフルエンザの検査のために養鶏場から1956検体、
症状を示したイエバトが73検体、家禽(ニワトリ、アヒル、ガチョウ)から2728
検体、野鳥から694検体、動物園(Seversk)から9検体送付された。
Tomsk地区報道によると、5441検体が鳥インフルエンザ陰性であった。
Verkhneketsky地方で8月15日に野生のアヒルが死亡した際の血液献体ではH5ウ
イルスの抗体価が32倍であった。
Teguldetsky地方のOrlovkaからの野生のアヒルの血液検体2検体では抗体価が
16倍であった。
Teguldetから来たワタリガラスの血液検体は、H5ウイルスの抗体価が32倍で
あった。
8月22日にVerkhneketsky地方のDruzhnyの村の近くで野生のアヒルが死亡し
た血液検体ではH5ウイルスの抗体価が32倍であった。
Kolpashevsky地方のRodionovkaで8月28日に野生のアヒルから得られた血液
検体のH5ウイルスの抗体価が32倍であった。
Krivosheinsky地方のTimyan島から送付された血液検体のH5抗体価が16倍で
あった。
11検体が検査中である。
8月30日に4地域(Kolpashevsky, Verkhneketsky, Krivosheinsky, Tomsky
district)から送付された検体からH5遺伝子が検出された。
Tomskでは家禽での流行や死亡は報告されていない。
●09-09(0910-0030)#Ea#ブルータング, 国内の反芻動物 - スペイン
(Andalusia) (04)
情報源: ADNS, 2005, 01 Jan-09 Sep, table 11 [edited]
>adns_090905_en.pdf>
上記情報源のテーブル11によると、41件のブルータングの流行がスペインで
報告された。
●09-09(0910-0040)#Ep#柑橘類癌腫 - オーストラリア(クイーンズランド)
(05)
クイーンズランド中央部での柑橘類癌腫(CC)流行により、非商用の感染に対し
来週処置を講じる。月曜から、クイーンズランド一次産業省は、4000本の個人
の庭の木を、115000本の商用の樹木、Emerald周辺の2700ヘクタールの柑橘類
を処分する。
●09-09(0910-0050)#Ea#口蹄疫、ウシ - ロシア(極東) (06)
情報源:Ria Novosti. 9 Sep 2005 [edited]
>
過去24時間以内に、新たに33頭の口蹄疫[FMD]がロシア極東当局に報告され
たと9月9日に発表された。アジア1型株に感染した患畜がMaritime Territory
[Primorsky Krai]の4つの村から発見された。全体で、流行は8地方で500頭以
上のウシが屠殺された。
●09-09(0910-0060)#C#ウイルス性髄膜炎 - フランス
情報源:Eurosurveillance Weekly 2005 ; 10(9), Thu 8 Sep [edited]
2005年5月末以来、ウイルス性髄膜炎の増加が観察された。フランス全土で、
非均一の患者増加であった。最も流行の激しい地域は: Provence-Alpes-Cote
d'Azur (south east France), Ile de France (Paris and surrounding area),
Rhone-Alpes (south east France), Midi-Pyrenees (south west France), et
Haute-Normandie (north west France) (1)であった。
園テロウイルスサーベイランスネットワークに参加している検査機関からの
情報が収集され、2000年の流行規模の流行ではないが、2001年~2004年の流行
よりも患者発生数が大きいことが示された。
患者発生数は第27週にピークがあり、以後減少傾向を示している。ウイルス
は主にエコーウイルス30、コクサッキーウイルスB群5型であり、続いてそれ
より少なくエコーウイルス13型と6型が検出された。5月初旬には11%の検体が
エンテロウイルス陽性であり、29週(7/18-24)には60%に増加した。
県)#
情報源:The Nation, Bangkok、タイ。
農場労働者19名がブルセラ症に感染したことから、Kanchanaburi県ではこれま
でで最大規模の家畜の大量処分が実施された。畜産局高官は9月6日、伝染性の
ブルセラ症の拡大を防止するため、Kanchanaburi県にある国内最大のヤギ牧場
で、ヤギ約200頭が本日中に処分される予定であると発表した。
県畜産部責任者Samart Jaralyanon氏は、Mahboonkrong ヤギ酪農社での大量処
分は、畜産局局長により命じられたたと述べた。同じ通達により、生きたヤギ、
乳製品および食肉といった同酪農社製の全製品の移送も禁止された。
Samart 氏は、すでに市場に出回っている乳製品は、低温殺菌法により原因菌
が死滅しているため、安全に消費できるとしている。食品医薬品局の責任者も、
市場に出回っているヤギ乳製品は汚染されていないと確認した。
以下、Samart 氏による問題の牧場でのブルセラ症流行の経緯説明。
これまでに同牧場に従事する男性12名女性7名が、ブルセラ症に罹患した。同
県の公衆衛生部責任者は、これらの患者を治療するため、特別治療センターが
Phra Piya病院に設置されたと述べた。同氏は、ブルセラ症は6週間の抗生剤投
与レジュメで治療可能であると述べた。疾病対策部責任者は、ブルセラ症はヒ
ト・ヒト感染しないので、患者の隔離は不要としている。医師による特別チー
ムが、牧場労働者らがどのように感染したか確認するため、同牧場に派遣され
た。
[Moderator注:人獣共通感染症であるブルセラ症の解説。]
●09-06(0907-0100)#C#クリミア・コンゴ出血熱 - イラン#
イラン:クリミア・コンゴ出血熱最新情報:2005年1月1日~8月23日。
投稿者:Chinikar Sadegh。
以下の記事は、テヘランにあるイランパスツール研究所のあるボウイルスおよ
びウイルス性出血熱研究所(国立センター)からの、イランでのクリミア・コン
ゴ出血熱発生に関する最新報告である。この記事は、9月5日にProMED-mail投
稿した「クリミア・コンゴ出血熱、2004年-イラン」(#20050205.0397)記事内
容を補足する。
2005年1月1日~8月23日間の、クリミア・コンゴ出血熱疑い患者総数は65名で
あった。イラン各地で発生した疑い患者65名中、当研究所では、IgM抗体陽性、
RT-PCR検査陽性例8名と、IgM抗体陽性、RT-PCR検査陰性例1名(後に採取された
血清検体でもRT-PCR検査結果は陰性であった)、IgM抗体陰性、RT-PCR検査陽性
例4名(全員が劇症で、免疫反応が誘導される以前に死亡した)を確認した。し
たがって、確定患者13名と死亡患者5名を確認したことになる。
以下、イランパスツール研究所で使用しているクリミア・コンゴ出血熱診断試
薬を提供している共同研究機関の情報。
●09-06(0907-0110)#C#ポリオ-アフリカ(08):エチオピア#
情報源:WHO CSR。
2005年8月31日時点で、エチオピアでは新たなポリオ患者2名が報告され、2005
年中に今回の流行に関連して発生した患者数は15名となった。新規患者2名の
うち1名は、ソマリアとの国境に近い同国中央部のOromia州で発生し、7月1日
に麻痺を発症した。エチオピア北西部のAmhara地域で発生した2例目は、7月16
日に麻痺を発症した。2例とも2005年5月23日に実施された全国ワクチン接種日
(NIDs)後に発生した。
2005年10月初旬に予定されている次回の全国ワクチン接種日(NIDs)を前進させ
るため、議論が行われている。エチオピアは、2004年12月に隣国のスーダンか
らポリオウイルスが持ち込まれるまでは、2001年1月以来ポリオフリー(ポリオ
制圧)の状態が続いていた。
[Moderator注:上記の患者発生状況から見て、エチオピア国内では、野生ポリ
オウイルスの感染循環が持続していることが強く示唆される。ソマリアとの国
境近くの地区で確定患者が発生したことから、野生ポリオウイルスのソマリア
への感染拡大可能性が強く懸念される。]
●09-06(0907-0120)#Ea#慢性消耗病、シカ類-カナダ(アルバータ州)#
アルバータ州で野生のシカに慢性消耗病が確認される。
情報源:カナダ食品検査局新聞発表、9月2日。
アルバータ州で実施されている慢性消耗病(CWD)サーベイランスにより、Oyen
市の南東約30kmの地点で野生ミュールジカの発病が確認された。この症例は9
月2日カナダ食品検査局により診断確定された。
以下、今回の症例の説明と同州で実施中の慢性消耗病(CWD)サーベイランスの
これまでの結果。
●09-06(0907-0130)#Ea#鳥インフルエンザ-アジア(22)、H5N1型株、情報提供
依頼#
投稿者:Joe Dudley (PhD, EAI Corporation)。
タイ当局から情報が寄せられた8月30日付けのOIE報告中のデータ(ProMED-mail
記事#20050903.2603)は、タイ国内の家禽1群以上がH5N1型株耐性を獲得したこ
とを示唆しているように思える。そのOIE報告では、報告された感染事例1件に
ついて、感染したニワトリ10羽から死亡症例が発生しなかったこと、別の事例
では、感染した15羽中5羽しか死亡しなかったことが示された。
もしこの現象が一般的となっているならば、飼育されているニワトリがアヒル
と同様に、東南アジアでのH5N1型株保有宿主となっていることを示している可
能性がある。
どなたか、この件について他に情報か技術的な解析データをお持ちでないです
か。
●09-07(0907-0140)#Ec#ProMED-mailダイジェスト版利用の勧め#
情報源:ProMED-mail。
●09-07(0907-0150)#Ec#ProMED-mailよくある質問集#
情報源:ProMED-mail。
●09-06(0908-0010)#Ea#炭疽、小型反芻動物 - トルクメニスタン#
トルクメニスタンでの炭疽。
情報源:国際獣疫事務局 (OIE) 疾患警報。
報告日:2005年9月2日。
Akhal地域 (Ashgabatの90km北東) Ak-Bugdaye地区Ak-Suで、2005年8月30日か
ら9月1日の間に、小型反芻動物1,000頭の群中の12頭が炭疽に罹患し死亡した。
死骸は焼却処分された。炭疽に対する感染対策が講じられている。問題の群れ
は、8月31日以来隔離されている。診断は中央獣医学研究所により確認された。
●09-06(0908-0020)#Ea#炭疽、ウシ-カザフスタン(西部地域)(03):診断確定、
OIE#
カザフスタンでの炭疽。
情報源:国際獣疫事務局 (OIE) 疾患警報。
報告日:2005年9月2日。
カザフスタン西部のZhanibek地区Talovで8月28日に、ウシ114頭の群れ中の9頭
が炭疽感染により死亡した。診断は、臨床的および検査により行われた。感染
源は汚染された土壌であった。現地では感染感受性のある家畜に対するワクチ
ン接種を含む感染対策が講じられてる。以下、感染対策の概要。
●09-07(0908-0030)#Er#鳥インフルエンザ-アジア(23):渡り鳥#
[1]投稿者:Les Sims。
モンゴル国内で家禽にH5N1型株感染が発生した事例での感染経路の推論。
結論:モンゴルの事例は、野鳥が国境を越えたH5N1型鳥インフルエンザ感染拡
大の原因であると示したこれまでで最も明確な証拠である。こうしたことが、
この事例のみと考える理由はない。
[2]投稿者:Howard Pharo。
鳥インフルエンザと渡り鳥。
先の「鳥インフルエンザ-アジア(21):渡り鳥」(#20050906.2637)内の[2]の記
事についてのコメント。
オーストラリアで高病原性鳥インフルエンザの発生が少なく、ニュージーラン
ドでは発生がないことの最も明白な説明は、_Anseriformes_ (カモおよびガチ
ョウ)が赤道を越えて渡りを行わないということである。以下、ニュージーラ
ンドでの鳥インフルエンザウイルスサーベイランスの結果、低病原性鳥インフ
ルエンザが変異して家禽に被害を出すことを予防する際の重要点。
[3]情報源:Reuters alert news、9月6日。
EU当局は、キンクロハジロ(tufted duck)とカモメを鳥インフルエンザウイル
ス感染のリスクが高いと見ている。
EUの動物衛生専門家は、鳥インフルエンザを予防するための野鳥検査に関する
ガイドラインを発表し、同ウイルスを伝播させるリスクがより高いと考えられ
る鳥類15種を特定したと、欧州委員会が2005年9月6日に発表した。
●09-06(0908-0040)#C#アライグマ回虫(Baylisascaris)感染-カナダ(オンタリ
オ州)#
投稿者:Allison Chris (MD MSc CCFP, トロント公衆衛生局)。
2005年8月25日に、トロント公衆衛生局(TPH)は、ヒトでは稀なアライグマ回虫
(_Baylisascaris procyonis_)感染患者の発生報告を受けた。
自閉症、中等度の精神発達遅延、 注意欠陥多動性障害の既往を持つ7歳の少年
が、1~2週間の食欲不振、意識レベル低下、夜尿症発現を主訴に救急外来を受
診した。診察の際、患児は発熱の他、軽度の頚部硬直および肘屈曲角度の増加
を呈したため、脳炎の診断で入院となった。
患児は現在も入院中であり、治療開始後病態は安定しているが、本来の機能状
態までは回復していない。現在までのところ、_B. procyonis_が原因の神経学
的障害患者の治療成功例はない。患児は土食症の既往歴があり、アライグマし
ばしば認められる都市部にある自宅の庭で遊んでいたことが確認されている。
環境調査では、患児宅の庭や屋根には新旧の排泄物の集積が確認された。アラ
イグマの排泄物中の回虫検査結果は陽性であった。
文献的にも、_B. procyonis_が原因と確定したあるいは可能性が高い、死亡ま
たは重症患者は14例が認められるのみである。この患者はカナダで初の_B.
procyonis_感染患者である。
[Moderator注:アライグマ回虫(_Baylisascaris procyonis_)の生活史の解説。
●09-07(0908-0050)#C#ビブリオ・バルニフィカス(Vibrio vulnificus)、ハリ
ケーン被災地-米国(02)#
汚水が原因となった最初の複数の死亡患者。
情報源:News24.com。
米国疾病予防対策センターCDCは9月7日、ハリケーンカトリーナによって被災
したメキシコ湾岸地域で、5人が汚水による感染症のため死亡したと発表した。
CDC広報官は、9月第1週には、テキサス州で死亡患者1名が、ミシシッピ州でも
1名が発生していたと明らかにした。同氏は、5名は創傷から侵入するビブリオ・
バルニフィカス(Vibrio vulnificus)による感染で死亡したとしている。同氏
は、高齢者や免疫不全者が、感染リスクが最も高いと述べた。
[Moderator注:新たな死亡患者が発生しても驚きはない。今回の死亡患者5名
のうちの1名は、昨日1次情報源から報じられたテキサス州の患者であろう。こ
こでは死亡患者しか記述されていないが、ビブリオ・バルニフィカス感染患者
総数はたぶんかなり多数となっていると思われる。]
●09-06(0908-0060)#C#野兎病-米国(ワシントン州)(02)#
投稿者:Mira Leslie (DVM, MPH、ワシントン州保健局獣医官)。
野兎病患者7名が最近週内の4郡から報告された。例年では、年間2~4名の患者
が州内から報告されている。調査の結果、今回の患者は発生地や発生源に関連
はなく、自然に曝露されたことが確認された。
患者の発病日は、2005年5月28日~8月2日の間である。年齢は6歳~66歳であり、
5名が男性であった。曝露の大部分が州内で発生したが、2名については州内お
よび州外両方の可能性があり、King郡の患者はワシントン州北西部で罹患した。
患者4名は潰瘍リンパ節型であり、1名が髄膜炎および肺炎を合併し、2名が肺
炎型であった。肺炎型の2名は造園のために機械を使用中に曝露された可能性
が高い。潰瘍リンパ節型の患者は、昆虫による刺咬を受けていた。患者1名に
ついては曝露経路が依然として不明である。
保健勧告が、ワシントン州西部の医療関係者および獣医に送付された。
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